東京セブンズ初日3連敗の日本 「惜しい…ではもう済まされない」
ジャパンの先頭に立って体を張った山内貴之主将
(撮影:松本かおり)
吹き荒れる強風に混じり、やがて雨も打ちつけた。3月31日、荒天の中、東京セブンズの初日が秩父宮ラグビー場で行われた。アップセットはこの日最後の試合で、イングランドがフィジーを破った試合だけ(7-14)。強豪国は順調に白星を重ねた。
ヤングスター、藤田慶和らを揃えたジャパンは、3戦全敗だった。イングランドに5-15、フィジーに7-26、フランスに5-24の成績でプールAの4位に。スコアを見れば、セブンズとしては完敗のように映るが、いずれも「紙一重」(山内貴之主将)だった。
山内キャプテンは、試合を終えるごとに繰り返した。
「(トライを)取れるところで取りきれない。ミスからリズムを失う。これまでやってきたことをやりきれていない」
村田亙監督が「雨、風のコンディションを味方につけよう」と選手たちに呼びかけて臨んだ戦いだったが、強国の脅威を和らげる効果の一方で、相次ぐハンドリングミスから苦しんだのは確かだった。また、タックルエリアへの到達の遅れ、プレーの連続が途切れた点などは、高めてきたはずのフィットネスで何とかできなかったか。
ピッチで身体をぶつけた体感を、正面健司はこう語った。
「ブレイクダウンでの高い強度もあって相手より立ち上がるのが遅れたり、そういった影響はボールを失うことに繋がったと思います」
それでも、ファンを沸かせるシーンは何度もあった。藤田は思いきりのいいランでチャンスを作り、必死のバッキングから、トライセービングタックルを見せた場面もあった。桑水流裕策はブレイクダウンで絡み、笹倉康誉は接点で安定感を見せた。
2日目のジャパンの初戦は、ボウルトーナメント準々決勝でポルトガル(東京セブンズ初日はサモアに20-21、南アに7-12、スコットランドに15-7と好調)と対峙する。香港大会で両チームは2度対戦し、両試合とも日本が惜敗。そしてポルトガルはコアチーム入りを決め、日本は夢破れた、まさに因縁の相手だ。「もう、惜しい試合だった…では済まされない」と、山内主将は全開で勝利に向かうことを誓った。
各プールとも、実力者たちの安定感が印象的だ。プールAではイングランドがダン・ノートンら中核が実力を示してフィジーに勝ったが、フィジーも実力差はない。香港大会でも見せた一気に攻めきる力は変わらぬままだ。
プールBのニュージーランドはDJフォーブス主将がブレイクダウンで存在感を示し、好ランナーを走らせた。プールCではウエールズが抜け出し、サモアは試合を重ねるごとに個々が噛み合い、最後は南アフリカを圧倒してプールD1位となった。
大会2日目は午前9時のキックオフ。フランス×スコットランドのカードから始まり、午後4時半過ぎからのカップ決勝戦でクライマックスを迎える。
安定感ある戦いを見せたNZ。写真はゲームメーカーのトマシ・ザマ
(撮影:松本かおり)