海外 2011.08.06

さよならカリスブルック 最終戦でオタゴ惜敗

さよならカリスブルック 最終戦でオタゴ惜敗

 2011年8月6日、ニュージーランド南島ダニーデン市にあるラグビーの名所「カリスブルック」で、ファーストクラス最後の公式試合が行われ、約130年の歴史に幕が下りた。2011年ラグビー・ワールドカップ用に、国内初の屋根付きスタジアム「オタゴ・スタジアム」が完成したため、カリスブルックをホームとしてきたオタゴならびにハイランダーズは、新居に引っ越す。


 


 カリスブルックは、1870年代にクリケット愛好家たちによって建設が始まり、1883年に開場。やがて楕円球の競技も盛んに開催されるようになると、ラグビースタジアムとして広く知られるようになり、改修工事を重ねながら、長きにわたって地元市民に愛されてきた。ファンの熱い声援を受けるホームチーム相手に、遠征してきた多くのチームが苦戦し痛い目に遭うことから、『House of Pain(ハウス・オブ・ペイン)』の異名を持つ名物スタジアムだった。


 


 カリスブルックでのラグビーの歴史を振り返れば、この地でオールブラックス(ニュージーランド代表)が初めてテストマッチを行ったのは1908年6月6日(対アングロ・ウェルシュ・ライオンズ)。ホームチームであるオタゴは、1936年8月1日にサウスランドを破り、最も権威ある盾「ランファリーシールド」の初防衛に成功。FBジェフ・ウィルソン、NO8タイン・ランデル、FLジョシュ・クロンフェルド、HOアントン・オリヴァーなど、そうそうたるメンバーを擁した黄金時代の1998年10月25日には、4万人の前でNPC(国内州代表選手権)優勝を決めた。1999年5月29日には、唯一にして最後のスーパーラグビー決勝戦(ハイランダーズ対クルセーダーズ)が開催されている。最後のテストマッチは、2011年7月22日のオールブラックス対フィジー戦。


 


 ファーストクラス最後の公式試合となった6日のITMカップ(国内州代表選手権)サウスランド戦で、地元オタゴは12-19で敗れた。しかし、試合終了間際にオタゴの20歳SOハイデン・パーカーが放った鮮やかなドロップゴールは、新たな栄光への懸け橋として、ファンの脳裏に焼きついたに違いない。


 


 なお、新しい「オタゴ・スタジアム」のオープニングセレモニーは5日に開催され、オタゴ大学に属するカレッジのなかで最も古い歴史を持つ、セルウィン・カレッジとノックス・カレッジによって、記念すべき最初の試合が行われた。


 

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