北の大地から世界へ。2023年、ラグビー・リーグアカデミーが北海道・広尾町に開校予定。
1期生。それは、開拓者になることでもある。
一般社団法人日本ラグビーリーグ協会(13人制ラグビー)が2023年春、北海道でラグビー・リーグアカデミーを開校予定だ。
新しいプロジェクトの中心人物は同協会の代表を務める小西周(こにし・あまね)さん。同代表は勝手に夢物語を描いているわけではない。
希望者に快適な環境を整える準備を進めている。
北海道を拠点とするのは、グラウンドや気候などに恵まれているためだ。
広尾町にある元旅館を合宿所として全国からも希望者を受け入れ、広尾高校に学ぶ3年間を過ごす。
卒業後は「ラグビー・リーグの盛んな海外へ向かってくれたらいいですね」と小西代表は話す。
ラグビー・リーグの普及が第一の目的だ。プレーの基礎作りも大事にする。ただ、それだけが目的ではない。
まだ誰も歩んだことがない道に踏み出すことは、人生を切り拓いていくための人間力の養成にもつながるだろう。
小西代表は学生時代、國學院久我山高校、日大でラグビー部に所属し、卒業後もクラブチームでラグビー・ユニオン(15人制)をプレーしていた。
大学時代にニュージーランドへ遠征したときに現地でラグビー・リーグのテレビ中継を見て惹きつけられたことを覚えている。
ウエールズ代表 のジョナサン・デービスやオールブラックスのフラノ・ボティカなど、ユニオンで活躍していたスター選手のリーグへのコードチェンジも相次いでいた。
ダイナミックでシンプルな競技性に魅せられて、やがて自身もリーグをプレーするようになった。
日本代表選手として活躍。同時に、組織作りに力を注いだ。
北海道へ行こうと、志を胸に行動を起こす若者を歓迎する人は、小西代表ら関係者だけではない。
広尾高校や地域の人も、肥沃な大地に新しいエナジーを持った人たちがやって来るのを待っている。
広尾町は「広尾高校サポートプラン12」というものを打ち出している。
新入学者への助成(入学費用負担軽減のため入学した生徒全員に5万円支給)、給食の提供、通学費、下宿費等の補助、部活動補助や入学後の模擬試験料の補助、資格検定料の補助などなど。
将来の夢と希望を実現させる力を、同校で養ってほしい。
ラグビー・リーグアカデミーの活動も柔軟に考える。
競技性を頭と体で理解する活動を日々続け、本場への遠征もカリキュラムに組み込み一方で、他のプランも描いている。
リーグの試合を経験する機会は限られているから、実践経験を学校のラグビー部として活動し、全国セブンズ大会の予選にエントリーしたり、近隣校と合同チームを組んで花園予選を戦う案もある。
在校生も含め、1学年20人ほどのアカデミー生を考えている。
現在、日本国内のラグビー・リーグチームは片手で数えられるほど。その現状を変える第一歩を踏み出そう。
世界に飛び出る基礎を築こう。