各国代表 2022.06.14

王者ボッカに新野獣など有望株続々。南ア代表史上最年長デビュー目指す35歳もスコッド入り

[ 編集部 ]
王者ボッカに新野獣など有望株続々。南ア代表史上最年長デビュー目指す35歳もスコッド入り
スプリングボックス初選出で「新たな野獣」と期待されるントゥトゥコ・ムクーヌ(Photo: Getty Images)


 世界ランキング1位の南アフリカ代表“スプリングボックス”を率いるジャック・ニーナバー ヘッドコーチが先週末、7月のテストシリーズ(ウェールズ代表戦)と、8月からのザ・ラグビーチャンピオンシップ(南半球4か国対抗戦)、そして11月のヨーロッパ遠征へ向けてスコッドを発表した。来年には連覇がかかるワールドカップを控えており、コアメンバーを含むプレーヤー総勢43人の大きな集団となる。

 日本のリーグワンクラブに所属する選手では、コベルコ神戸スティーラーズで短期プレーしたCTBルカニョ・アムのほか、HOマルコム・マークス(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)、LO/FLフランコ・モスタート(三重ホンダヒート)、FLピータステフ・デュトイ(トヨタヴェルブリッツ)、FL/NO8クワッガ・スミス(静岡ブルーレヴズ)、SOエルトン・ヤンチース(NTTドコモレッドハリケーンズ大阪)、CTBジェシー・クリエル(横浜キヤノンイーグルス)、FBウィリー・ルルー(トヨタヴェルブリッツ)が選出された。

コベルコ神戸スティーラーズで今年プレーしたルカニョ・アム(撮影:平本芳臣)

 そして、横浜キヤノンイーグルスへ来季入団が決まっているSHファフ・デクラークもスコッドに名を連ね、彼らと一緒に2019年のワールドカップで栄冠に輝いた主将のFLシヤ・コリシ、LOエベン・エツベス、SOハンドレ・ポラード、CTBダミアン・デアレンディ、WTBのマカゾレ・マピンピ、チェズリン・コルビなども選ばれた。

 また、かつて宗像サニックスブルースにいたCTBアンドレ・エスターハイゼンは、ハーレクインズ(イングランド)の一員として今季プレミアシップで選手が選ぶ年間最優秀選手賞を受賞するほど活躍し、代表復帰。そして、2015-16シーズンにホンダヒートでプレーし、現在はブルズのキャプテンとして、アイルランド、スコットランド、ウェールズ、イタリアのプロチームとも戦うユナイテッド・ラグビー・チャンピオンシップ(URC)で決勝に導いた31歳の謙虚なハードワーカー、FLマルセル・クッツィアもボッカ(スプリングボックス)復帰となり、エスターハイゼンと同じく3年ぶりのテストマッチ出場を目指す。

今季プレミアシップで大活躍だったアンドレ・エスターハイゼン(Photo: Getty Images)

 一方、2019年ワールドカップ決勝でプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた世界トップクラスのNO8で、来月36歳の誕生日を迎えるドウェイン・フェルミューレン(アルスター)は、膝の手術を受けるため選出されていない。また、ワールドカップ2大会優勝(2007、2019年)に貢献した35歳のユーティリティBKフランソワ・ステイン(チーターズ)はハムストリングの負傷により、今回スコッドには入らなかった。

 ノンキャップは8人で、フェルミューレンの不在は、デビューを目指すFW3列のエルライフ・ロウ、エヴァン・ルース、デオン・フーリーにとってはチャンスとなる。HOもできる35歳のフーリーは仕事量が多く、ブレイクダウンでターンオーバーを連発するファイターで、スプリングボックス史上最年長デビューの選手になる可能性がある。

かつて藤田慶和(右)らと一緒にバーバリアンズでプレーしたこともあるデオン・フーリー(Photo: Getty Images)

 フーリーらとともにストーマーズのURC決勝進出に貢献したルースは、ファンが選ぶURCシーズン最優秀選手賞を受賞した注目の22歳。今季URCでボールキャリー成功142回はダントツ、相手タックルを破った回数(53回)も最多を記録するなどダイナミックで、フェルミューレンからゴールド&グリーンの8番を引き継ぐのはこの男だという声も多い。

 そのほか、PRントゥトゥコ・ムクーヌ、LOのサルマン・モエラット、ルアン・ノルキア、SHグラント・ウィリアムス、ユーティリティBKカートリー・アレンザも初キャップ獲得を目指す。23歳のムクーヌは強力なスクラムとボールキャリーを高く評価され、所属するシャークスのOBでスプリングボックスの1番をつけたレジェンド、テンダイ・ムタワリラに替わる「ニュー・ビースト(新たな野獣)」と期待されている。

 なお、負傷しているSOヨハン・フーセン(ブルズ)はスコッドに入っていないが、一緒にキャンプに参加しながらリハビリを続ける。

フィジカルが強くアグレッシブなエヴァン・ルース(Photo: Getty Images)

<2022 南アフリカ代表スコッド> ※ 所属チームは2021-22シーズン時点

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スティーヴン・キッツォフ(ストーマーズ)、オクス・ンチェ(シャークス)、ントゥトゥコ・ムクーヌ(シャークス)、トレヴァー・ニャカネ(ラシン92)、フランス・マルハーバ(ストーマーズ)、ヴィンセント・コッホ(サラセンズ)、トーマス・デュトイ(シャークス)

【HO】
マルコム・マークス(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)、ボンギ・ンボナンビ(シャークス)、ジョゼフ・ドウェバ(ボルドー)

【LO】
エベン・エツベス(トゥーロン)、ルード・デヤハー(セール・シャークス)、マーヴィン・オリー(ストーマーズ)、サルマン・モエラット(ストーマーズ)、ルアン・ノルキア(ブルズ)

【FL/NO8】
シヤ・コリシ(シャークス)、ピータステフ・デュトイ(トヨタヴェルブリッツ)、マルセル・クッツィア(ブルズ)、クワッガ・スミス(静岡ブルーレヴズ)、ヤスパー・ヴィーサ(レスター・タイガース)、エルライフ・ロウ(ブルズ)、エヴァン・ルース(ストーマーズ)

【Utility FW】
フランコ・モスタート(三重ホンダヒート)、ライナート・エルスタット(トゥールーズ)、デオン・フーリー(ストーマーズ)

俊足で「新たなロケット」と呼ばれるカートリー・アレンザ。昨年は東京五輪出場(Photo: Getty Images)

【SH】
ファフ・デクラーク(セール・シャークス)、コーバス・ライナー(モンペリエ)、ハーシェル・ヤンキース(ストーマーズ)、ジェイデン・ヘンドリクサ(シャークス)、グラント・ウィリアムス(シャークス)

【SO】
ハンドレ・ポラード(モンペリエ)、エルトン・ヤンチース(NTTドコモレッドハリケーンズ大阪)

【CTB】
ダミアン・デアレンディ(マンスター)、アンドレ・エスターハイゼン(ハーレクインズ)、ルカニョ・アム(シャークス)、ジェシー・クリエル(横浜キヤノンイーグルス)

【WTB/FB】
マカゾレ・マピンピ(シャークス)、チェズリン・コルビ(トゥーロン)、ウィリー・ルルー(トヨタヴェルブリッツ)、ウォリック・ヘラント(ストーマーズ)、アペレレ・ファシ(シャークス)

【Utility BK】
ダミアン・ヴィレムサ(ストーマーズ)、カートリー・アレンザ(ブルズ)

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