東海大仰星が7年ぶりに花園で優勝! 桐蔭学園の猛攻止め激闘制す
(撮影:松本かおり)
第93回全国高校ラグビー大会の決勝が1月7日に大阪・近鉄花園ラグビー場で行われ、東海大仰星(大阪第1)が19−14で桐蔭学園(神奈川)を下し、7年ぶり3回目の優勝を遂げた。
Aシード校同士のハイレベルな頂上決戦。
先に流れを引き寄せたのは東海大仰星だった。前半1分過ぎ、LO西野晃太が敵陣22メートルライン中央で相手のパスをカットし、そのままゴールに走って先制。だが桐蔭学園は24分、自陣深くからキックを使わずに力強い前進でフェイズを重ねて敵陣のゴールに迫り、最後はWTB山田雄大が右サイドを抜けてトライを奪い返した。タッチライン近くの難しい位置からコンバージョンキックも決まり、7−7の同点となる。
「昨日のミーティングで、選手たちが継続し続けると決めた。それに私たちも賛同しました」(桐蔭学園・藤原秀之監督)
桐蔭学園の果敢なアタックの前に、押され気味の時間帯が続いた東海大仰星。しかし、耐えて、決してリードは許さない。
ハーフタイムをはさみ、迎えた後半8分、ゴール前中央でペナルティチャンスをもらった仰星は、タップキックから左へ速攻を仕掛け、WTB河野翼がインゴールに飛び込んだ。11分には、桐蔭学園のハーフバックにプレッシャーをかけ、こぼれたボールを仰星のLO西野が拾ってビッグゲイン。桐蔭学園のCTB笠原開盛がゴール前で捕まえたが、仰星のサポートは速く、最後は大型LO永井達啓が5点を追加した。19−7。
それでも、ボールキープ力が高い桐蔭学園は15分、連続攻撃で敵陣22メートルラインまで攻め上がり、パワフルなFL佐々木嵩穂が4人のタックラーを次々とはねのけてインゴールへ。キック成功で19−14となる。
勢いを増す関東王者。そして、後半19分だった。快足WTB山田が右サイドを攻めてゴールに迫った。が、トライラインまであと数メートルのところで仰星WTB小原錫満が必死にタックルを放ち、タッチジャッジの旗があがる。
その後も仰星は、ゴール前5メートルまで攻め込まれるピンチがあったものの、FWがブレイクダウンで奮闘し、ターンオーバー。ラスト約7分間を桐蔭学園陣内でプレーし続け、ロスタイムに相手にペナルティを与えてしまったが、仰星は後退せず、再びブレイクダウンでボールを奪い返し、タッチライン外に蹴りだして歓喜の瞬間を迎えた。
14年前の初優勝時にキャプテンを務め、今回は監督として全国制覇を成し遂げた東海大仰星の湯浅大智監督は、「最初からディフェンスでどれだけカラダを張り続けられるか、だと思っていた」と語り、奮闘した選手たちを称えた。キーマンのひとりだったFB野口竜司は、「苦しい展開だったけど、FWが気力で頑張ってくれた。桐蔭がどんどん(タテに)来るのはわかっていた」と激闘を振り返った。
敗れはしたが、堂々の全力ラグビーで準優勝に輝いた桐蔭学園。戦いを終えた藤原監督は「みんなよくやってくれた。でも、ミスが出てトライを取られた。それは、相手が上回っていたということ」と相手にも敬意を表し、HO堀越康介は「相手のプレッシャーはきつかったが、途中で足が止まったのは伝わってきた。ただ、自分たちも疲れた。やり切りました」と胸を張った。
(撮影:松本かおり)