国内 2022.02.07

神戸Sが2勝目。グリーンロケッツは大差で敗れるも、「私たちが勝つべきだった」

[ 編集部 ]
神戸Sが2勝目。グリーンロケッツは大差で敗れるも、「私たちが勝つべきだった」
ハットトリックの大活躍で自身の誕生日を祝う神戸S WTBアタアタ・モエアキオラ(撮影:松本かおり)

 勝った神戸は強い。本当に尊敬している。

 そう話した上で、グリーンロケッツ東葛のキャプテン、PR瀧澤直が言った。

「あえて言わせてもらえるなら、『私たちが勝つべきだった』と本当に思える試合でした。すごく悔しいです。ホームゲームで、皆さんの前で早く勝ちたいし、それが今日だと思っていた」

 2月6日。柏の葉公園総合競技場でコベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)がグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)を48-17で破った。
 大差がついた中でも、この日は敗れたGR東葛の健闘に心を動かされた。

 前半、観客席から何度も何度も拍手が起こった。
 ホストチームであるGR東葛がそれだけ好プレーを連発していた。

 先制PGこそ許すも、10分、敵陣22㍍内でモールを組む。良い形を保ちながらドライブ、そのまま押し込んだ。7-3。逆転に至るまでも、FL大和田立のライン突破やスクラムでのペナルティ獲得で会場を沸かせていた。

 その後もスクラムで相手の反則を何度も奪い、試合を優位に進めた。トライこそならなかったが、CTBティム ベネットがランでゴール前に迫り(数分後にPG成功)、FBトム・マーシャルはカウンターアタックで何度も好機を作った。

 10-10の同点とされた26分以降も、コンタクト局面で神戸相手に一歩もひかず。相手からボールをもぎ取るシーンを前半だけで3度も作った。
「(相手と)肩を合わせた感覚から、全員がいける、いけるという声も出ていたし、劣勢になっている感覚はまったくなかった」(瀧澤主将)
 だからこそ、瀧澤は冒頭の言葉を言った。

 だがGR東葛は不用意なペナルティが多かった。数だけ見ても12の神戸Sに対し、GR東葛は22もの反則を重ねていた。
 だから一瞬にしてスコアをひっくり返され、突き放された。前半終了時に10-22、そして後半には3連続トライを許し、15分までに10-41とされた。

「(敗因は)ペナルティに尽きます。試合中にコミュニケーションは取っていたけど、それだけペナルティが劣勢の要因になっているという認識がまだまだ足りなかったのかなと。最後まで修正し切れませんでした」(瀧澤主将)

 昨季まで在籍していた古巣との対戦となり、「新しいチームでも頑張ってる姿を見せたかった」と話したCTB児玉健太郎は、試合をこう振り返った。
「ちょっとした流れが変われば全然分からないゲームでした。ただちょっとした違いでここまでの点差が開いてしまうのも現実」

 新戦力も数多く加わったGR東葛は、改革の途中段階。一体感を生む好演出と、劣勢でも拍手を止めなかったファンの期待に、早く応えたい(現在2勝3敗、勝ち点10で9位。ただし不戦勝2つ)。

 今季2勝目を挙げた神戸S(勝ち点11で8位)はディビジョン1で唯一、5節すべてでゲームをおこなえたチームだった。デーブ・ディロン ヘッドコーチは「リーグも1/3が終了したところで、まったくもって簡単ではなかった。この5試合で学べることは次の週を使ってまとめていくつもりです」。

 プレイヤー・オブ・ザ・マッチはWTBアタアタ・モエアキオラ。前半に同点、逆転のトライを挙げ、後半にも自陣でのターンオーバーから一気にインゴールまで駆ける。ハットトリックを達成した。
「誕生日でいいパフォーマンス出せた。本当に嬉しいです。最高の1日になりました」と喜んだ。

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