NZが宿敵オーストラリアに快勝! ブレディスローカップ保持に王手
ブレディスローカップはニュージーランドに近づいた
(撮影:Yasu Takahashi / Nichigo Press)
タスマン海を越えてライバル心を燃やすオーストラリアとニュージーランドが、ラグビー代表によって80年以上も前から争ってきた『ブレディスローカップ』。その今季第1戦が8月17日にシドニーで行われ、47−29でアウェイチームのニュージーランドが先勝した。来週24日の第2戦(ウェリントンで開催予定)で、ニュージーランドは引き分け以上ならば11年連続のカップ保持が決まる。2002年以来の奪還を狙うオーストラリアが第2戦を制した場合は、10月19日の第3戦で決着がつく。
今年初のライバル対決。
ニュージーランド代表(オールブラックス)が立ち上がりからテンポよく攻め、前半2分過ぎにWTBベン・スミスのトライで先制した。
オーストラリア代表(ワラビーズ)は、CTBクリスチャン・リアリイファノのペナルティゴール(PG)4本で一時は10−12とゲームをひっくり返したものの、世界ランキング1位のオールブラックスはすぐさま、負傷中のエースSOダン・カーターの代わりに10番をつけたアーロン・クルーデンが、相手キックをチャージして自らインゴールでボールを押さえ、逆転。さらに敵陣で攻め続けるオールブラックスは32分、ゴール前での展開から、FLリッチー・マコウが右隅に飛び込んで勢いをつけた。長期休養を経て、約9カ月ぶりに黒衣のジャージー着たマコウ主将は、その後ブレイクダウンでも奮闘し、復活を印象づけた。
追うワラビーズは37分、相手のラインアウトミスからこぼれ球を拾い、SHウィル・ゲニアが約65メートルを走り切って、25−19で前半を折り返した。
後半は、オーストラリアがPGで先に得点し、3点差になったものの、ニュージーランドは51分、隙間を突いてショートブレイクしたSHアーロン・スミスをCTBコンラッド・スミスがサポートし、7点追加でリードを拡げた。その後、先取点を挙げたWTBベン・スミスが56分、72分とトライを決め、ハットトリック達成で勝負あり。
オーストラリアは試合終了直前に、WTBジェームズ・オコナーが1トライを返したが、時すでに遅し。7月に指揮官に就任したばかりの、ユーアン・マッケンジー新ヘッドコーチの初陣を勝利で飾ることはできなかった。
なお、この試合は南半球4カ国対抗戦(ラグビーチャンピオンシップ)のオープニングゲームを兼ねており、ニュージーランドは同大会連覇に向けても好スタートを切った。