各国代表 2020.02.09

雨のエディンバラでイングランド笑う。6か国対抗今季初勝利

[ 竹鼻智 ]
雨のエディンバラでイングランド笑う。6か国対抗今季初勝利
雨、風に見舞われたマレーフィールドで接戦を制したイングランド。中央はイングランドSOジョージ・フォード。(写真/Getty Images)



 真冬のエディンバラで行われたロースコアゲーム。イングランドが力技で13-6とスコットランドをねじ伏せた。
 雨と風により、ボールコントールが難しいコンディション。ハンドリングエラーが多発し、キックを中心とした試合展開となった。

 ミスが多発した前半の唯一の得点は、CTBオーウェン・ファレルが10分に決めたペナルティゴールのみ。前半は3-0とイングランドのリードで終わった。
 後半に入っても、双方ともに同じ戦術を貫く。試合はキック、スクラム、ラインアウトとラックサイドの肉弾戦に終始した。

 後半6分にはSOアダム・ヘイスティングスのペナルティゴールで3-3に追いついたスコットランドは、その直後にイングランド陣でフェーズを重ねてトライラインに近づいた。しかし、そのチャンスを白いジャージーの3番、カイル・シンクラーの好タックルに阻まれてチャンスを逃した。

 好機を逸したスコットランドに対し、イングランドは後半30分、一撃必殺の刀を抜いた。
 スクラムから仕掛けた後の攻撃で、途中出場のPRエリス・ゲンジが、ブレークダウンの接近戦から力技でトライをもぎ取った。ファレルのゴールも決まり10-3とした。

 このプレーの直前、相手に蹴り込まれたボールを追ったスコットランドのFBスチュアート・ホッグは、その処理にもたつき、ドロップアウトにしたいボールをキャリーバックとしていた。
 そこで与えたスクラムからイングランドがトライを奪った。ホッグは、前節のアイルランド戦ではインゴールノックオンでトライを逃した。2週連続でファンを失望させるプレーだった。

 後半37分には、さらにファレルのペナルティゴールで13-3と突き放したイングランド。スコットランドもその直後にヘイスティングスがペナルティゴールを決めて食い下がるも試合終了となった。
 悪天候の中、力技での寄り切り。イングランドは、「らしい」形で今大会初勝利を挙げた。

 イングランドのファレル主将は、「今日の試合は、タフなアウェーゲームになるのは分かっていた。いい準備をして試合に挑み、素晴らしい態度で試合に臨んだ。厳しいコンディションのなか、いいパフォーマンスを見せられた。予測不能な風の流れには悩まされたが、なんとか勝つことができた」と話した。
 同主将は、6本のキックで成功は3本と低調だった。風に悩まされた。

 敗れたスコットランドのホッグ主将は、「とにかく悔しい。徹底的に戦ったが、一歩及ばなかった。今日のイングランドのパフォーマンスには、敬意を表したい。我々は力技で真っ向から勝負を挑み、締め殺された気分だ」と顔を歪めた。

 一昨年はスコットランドが勝利し、昨年は引き分けに終わったため、2年間スコットランドが保持していた、カルカッタカップ(イングランド×スコットランドの勝者に与えられるトロフィー)は、ようやくイングランドに戻ってきた。

 今大会連敗スタートとなったスコットランドは、次節(2月22日)、ローマでイタリア戦に挑み、イングランドはトゥイッケナムに2連勝中のアイルランドを迎える(2月23日)。


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