その他 2019.11.04

ワールドラグビー年間表彰式で釜石市に特別賞 震災からの復興でW杯開催

[ 編集部 ]
ワールドラグビー年間表彰式で釜石市に特別賞 震災からの復興でW杯開催
表彰式に出席した桜庭吉彦さん、洞口留伊さん、山崎秀樹副市長(左から/撮影:松本かおり)


 岩手県の釜石市が、東日本大震災の甚大な津波被害からの復興を通じラグビーの価値を高めたとして、ラグビーユニオンの国際統括団体であるワールドラグビーの年間表彰式でキャラクター賞(アワード・フォー・キャラクター)を受賞した。

 かつて新日鉄釜石が日本選手権7連覇の偉業を達成するなど、誇り高いラグビーの歴史を持つ釜石市は、2011年3月11日に発生した大地震と津波により1000人以上の命を奪われ、壊滅的な被害を受けた。
 そして、復興への長い道のりを始めたとき、地元の人々に希望をもたらすために、ラグビーワールドカップの試合を開催したいという市民の思いが高まり、感情的なプレゼンテーションにより、釜石市は2019日本大会の12の開催都市のひとつに決定。破壊された鵜住居小学校、釜石東中学校の跡地に釜石鵜住居復興スタジアムが建設された。

 そして今年9月25日、1万4025人の観客の前で歴史的なワールドカップのフィジー対ウルグアイ戦がおこなわれ、釜石の人々を元気づけ、世界中の人々を感動させた。
 台風により、10月13日に同地で予定されたナミビア対カナダ戦は中止となったが、両チームの選手らは台風被害にあった現地でボランティア活動をおこない、このことも、ラグビーワールドカップ2019の感動的なストーリーのひとつとして伝えられている。

 11月3日に東京でおこなわれたワールドラグビーの表彰式には、釜石市の山崎秀樹副市長、元日本代表で現在は釜石シーウェイブスのゼネラルマネージャーを務める桜庭吉彦さん、そして、スタジアムのこけら落としで「キックオフ宣言」をし、震災被害を語り継ぐ活動に携わってきた釜石高校3年の洞口留伊さんが出席した。

 そのほか、ラグビーに対する傑出した功績と国際化に貢献した個人、協会、団体に贈られるヴァーノン・ピュー賞は、ワールドラグビーの前会長であるベルナール・ラパセ氏(フランス)が受賞。現在は、2024年にパリで開催されるオリンピックおよびパラリンピックへ向け、大会組織委員会の共同委員長を務めている。

 IRP(国際ラグビー選手会)特別功労賞は、元アイルランド代表のジェイミー・ヒースリップに贈られた。ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズでのプレーと合わせ、テストマッチ通算100キャップを誇るヒースリップは、フィールド以外では、IRPなどとともに世界アンチドーピング機関や国際オリンピック委員会と協力して、男子、女子、7人制、15人制すべてのレベルの選手を代弁してきた。また、選手の機密データや画像の権利の保護などの問題についても積極的に取り組んでいる。

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