春から全力ラン 福岡サニックス 初のセブンズ日本一
セブンズ フェスティバル 2012で優勝した福岡サニックスブルース
(撮影:松本かおり)
快晴の秩父宮ラグビー場で5月27日に開催された『セブンズ フェスティバル2012』は、福岡サニックスの優勝で幕を閉じた。1回戦でトップリーグの昨季トップ4チームがすべて敗れるという序盤戦。カーン・ヘスケスなど、決定力のある選手を並べ、日頃からランニング・ラグビーを積み上げる福岡サニックスは、最後まで奔放に走り続けた。
サニックスは、FWジェイク・パリンガタイ、菅藤友、濱里周作、BK濱里耕平、古賀龍二、タファイ・イオアサ、カーン・ヘスケスの布陣でファイナルのリコー戦に挑んだ。
決勝戦でも序盤から全開で戦った福岡サニックスは前半2分、相手ラインアウトのノットストレートで得た自陣でのスクラムから展開し、シザースで走り込んだカーン・ヘスケスが先制トライを奪った。4分にはPKから攻め、タファイ・イオアサが左中間に。7分過ぎにもインターセプトからヘスケスが走り、最後はイオアサがインゴール中央に押さえた。10分にはターンオーバーからまたもやヘスケスが飛び出し、60メートルを疾走だ(26−0)。
後半に入ってもサニックスは攻撃の手を緩めない。1分過ぎにパリンガタイがトライすると、3分にリコーが『横山伸一のキック→健一が受ける』のホットラインで反撃も、4分過ぎに濱里耕平が走る。5分過ぎにリコーが横山健一でトライを返すも、7分過ぎにふたたび濱里耕平が一直線。仕上げには、この日最後の最後に初めて出場し、最後までしっかりとサポートに走り続けた金川禎臣がインゴール中央に走り込み、50−12で栄冠を手にした。
YC&ACセブンズでの2回の優勝こそあるものの、初めてのセブンズ日本一を手にした藤井雄一郎監督は、「去年はトップリーグであまり成績がよくなかったから、今年は春から全力で戦えるようにと思ってきました。だから今日もベストのメンバーで臨み、絶対に優勝しようと思っていた。いいスタートが切れました。この勢いを持続して、次のステップへ進んでいきたいですね。大黒柱(小野晃征がサントリーに移籍)が抜け、『今年のサニックスはあかんやろ』と思っている人も多くいるかもしれません。それを少しは払拭できたかな、と(笑)。今年は例年以上に、もっともっと走りますよ」と語った。また、指揮官に続いて今大会で主将を務めた濱里周作は、「うちは体が小さいから、組織で戦おうと準備をし、戦いました。キツい練習でコミュニケーションを高めてきました。そして、できなければ何回でもやりました。その成果で優勝できてよかったです。こんな大きな大会で優勝カップを掲げられてシアワセです(笑)」。MVPは、弾丸の走りで防御をぶち抜き続けたカーン・ヘスケスだった(4試合で7トライ)。
コンソレーショントーナメント(敗者戦)で頂点に立ったのはサントリー。1回戦でNTTコムに12−33と完敗したが、若手を揃えたチームは高いフィットネスと抜群のスピードを発揮。決勝では快足の長野直樹や成田秀悦らが防御を切り裂いて主導権を握ると、後半にネマニ・ナドロらを投入して追い上げたNECを振り切った。29−19のスコアだった。
また、女子の部では日体大がはつらつとしたランニングラグビーで優勝した。
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なお、この日は会場で日本代表選手たちが『SAKURA基金』の募金活動を行い、40万1041円が集まった。『SAKURA 基金』に寄せられたお金は、昨年の東日本大震災や原発事故で被災した福島県の子どもたちを6月24日の「リポビタンD チャレンジ2012 JAPAN XV 対 フレンチ・バーバリアンズ戦」(東京・秩父宮ラグビー場)に招待するための費用に充てられる。
『SAKURA基金』の募金活動を行う日本代表選手たち
(撮影:松本かおり)