サンウルブズのジェイミー・ブース、「アワーゲーム」をと誓う。
ウェイトトレーニングルームで記者団に応じる。話しながら、あちこちから向けられるカメラへ丁寧に視線を向ける。口角を上げる。ニュージーランド出身のジェイミー・ブースは、今季から日本のサンウルブズに入ってスーパーラグビー(国際リーグ)を戦う。
身長171センチ、体重82キロの24歳は、接点周辺を回るSHとして鋭いランを連発する。茂野海人、田中史朗といった年上の日本人SHからも、多くを学ぶ。
「日本のSHはすごくパスがうまい。細かく指を使ってスピンをかけようと意識している。私も日々のドリルでそれを採り入れ、上達したい」
サンウルブズには、選手の入れ替わりが頻繁におこなわれる多国籍軍という特徴がある。ブースはかつて所属した母国のブルーズ、ハイランダーズ、ハリケーンズとは異なる背景のもと約4か月戦ったこととなるが、あくまで前向きだ。
「もうシーズン終盤。私たちは長い時間を過ごしています。それにどこの国でもラグビーは、ラグビーです。困ることはない。通訳を介してコミュニケーションを取っているので大丈夫です」
5月25日、東京・秩父宮ラグビー場。オーストラリアのレベルズに7-52で屈して今季通算戦績を2勝11敗とした。この日ブースは、0-19で迎えた後半12分から登場。味方が焦るのをもどかしく思っただろう。試合展開をこう振り返った。
「先に連続して点数を取られて追う立場となったことで、奇跡を願ってのオフロードパス、やらなくてもいいフィフティ・フィフティパス(つながるかどうかが五分五分のパス)をするようになってしまいました」
だから次戦へは「アワーゲーム(自分たちの戦い)」に徹したいという。トニー・ブラウン ヘッドコーチが不在のなかでも、システマチックな連続攻撃でファンを魅了したい。6月1日には秩父宮で、ブランビーズと今季最後のホームゲームをおこなう。
「まずはボールをキープする、激しくキャリー(突進)する、無理にオフロードをするよりもフェーズを重ねる。…これが解決策になると思います。ディフェンスでは、セットピースの際に誰が誰を見るかの役割を明確にしたい。今季最後のホームゲーム。エキサイトしています。まずはアワーゲーム(自分たちのスタイルを貫くこと)を意識。ボールをキープし、フェーズを重ねていきます」
秩父宮での今季初勝利を挙げ、ファンと笑顔で写真を撮りたい。