国内 2018.12.22

10連覇狙う帝京大が堅守で流経大を完封 準決勝の挑戦権得たのは天理大!

10連覇狙う帝京大が堅守で流経大を完封 準決勝の挑戦権得たのは天理大!
ボールを持つ大東大SH南昂伸に襲い掛かる天理大のディフェンス(撮影:松村真行)

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流経大の守りもしぶとかったが帝京大は7トライ(撮影:松本かおり)
 全国大学ラグビー選手権大会で10連覇を目指す帝京大が、12月22日に東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれた準々決勝で流通経済大を45−0で下し、頂上へ向かって前進した。1月2日に同会場で開催される準決勝の相手は、関西王者の天理大に決定。こちらは大阪・キンチョウスタジアムでの準々決勝で大東文化大に30−17と競り勝った。
 帝京大はピンチになる場面が何度かあったが、堅いディフェンスで流経大に得点を許さなかった。タックルミスは2つ、反則は4つと少なかった。
 流経大も序盤から低く激しいタックルを繰り返していたが、帝京大は前半10分に敵陣深くに入ると外側にスペースを作り、WTB木村朋也が右隅に飛び込み先制した。22分には流経大が反則の繰り返しで1人少なくなり、数的有利となった帝京大はまもなく、ゴール前のスクラムから左にボールを動かしWTB奥村翔がトライを挙げた。
 チャレンジャーの流経大は33分、スクラムからの攻撃でゴールに迫り、キャプテンのLO山川遼人がラインを越えてトライかと思われたが、アクシデンタルオフサイドで得点とはならなかった。
 12−0で折り返し、後半の序盤も相手に攻め込まれた帝京大だが、カウンターラックでボールを奪い返すと瞬く間に敵陣へ入り、47分(7分)、ラインアウトからモールで押し込み加点した。流経大の果敢なタックルにハンドリングエラーを多発した赤いジャージーの王者だが、52分にはFB竹山晃暉がハーフウェイからのカウンターで空いたスペースを鮮やかに抜けて追加点。その後、安定したスクラムから得点につなげるなど、次第に点差を広げ、集中力の高い堅守は最後まで続き、準決勝進出となった。
 正月に帝京大に挑む権利を得たのは天理大だ。大東文化大を倒し、2季ぶりのベスト4入りとなった。
 関西大学Aリーグの最終戦から4週間が経っていて、「選手権という雰囲気もあって緊張した」というキャプテンのHO島根一磨だが、「今日はファーストプレーにこだわろうと。入りの部分でそれができた」
 天理大は前半5分、ゴール前のラインアウトからモールを組んだあと、LOアシペリ・モアラが抜け出し先制した。8分にはSO松永拓朗がブレイクスルーでチャンスメイクし、つないで、WTB久保直人がフィニッシュ。
 大東大の青柳勝彦監督は、「勢いあるラグビーをやっていこう、と言っていたが、立て続けに2本とられて、逆に勢いをつけてしまった」とのちに振り返る。
 それでも追う大東大は14分、ラインアウトからのサインプレーが決まって連続攻撃でゴールに迫り、キャプテンのHO平田快笙が仲間の後押しを受けてインゴールにねじ込んだ。
 だが天理大は30分、NO8ファウルア・マキシの力強い前進などで攻撃のリズムをつくると、CTBシオサイア・フィフィタが敵陣10メートルライン付近から中央を突破してゴールに持ち込み、会場が沸いた。ハーフタイム前にはPGで加点し、22−7で折り返した。
 2季連続のベスト4入りを目指す大東大は53分(後半13分)、NO8アマト・ファカタヴァから飛ばしパスをもらったFB鈴木匠が抜けてゴールに持ち込んだ。その3分後には、相手の落球後、ボールを手にしたSH南昂伸がギャップを抜けてチャンスメイクし、FB鈴木とWTB朝倉健裕がつないで最後はモスグリーンの15番が連続でフィニッシャーとなり、5点差に詰めた。
 しかし天理大は70分、スクラムで押し勝ってPGチャンスを得、貴重な3点を追加。78分にもスクラムで圧倒して敵陣深くのラインアウトへと移り、ドライビングモールでトライを奪い、勝負を決めた。
 敗れた大東大の青柳監督は「うちらの強みのスクラムがうまくいかなかった」と悔しさをあらわにした。平田キャプテンは「スクラムでレフリーとのコミュニケーションがとれなかった。天理の8人がまとまったスクラムを組んできたのに対し、自分たちは思うように組めず、修正ができなかった」と明暗を分けたセットピースを振り返った。
 勝った天理大の小松節夫監督は、「うちはスクラムの部分で自信を持ってる。押したり押されたりしたが、一歩も引かなかった。簡単にトライをとられたのは修正点。これで帝京大に挑戦できる」とコメントした。

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