国内 2018.10.13

神鋼、トヨタ、サントリー、ヤマハ、リコー、クボタも8強入り! 東芝は脱落

神鋼、トヨタ、サントリー、ヤマハ、リコー、クボタも8強入り! 東芝は脱落
サントリーの中鶴隆彰にタックルするサニックスの屋宜ベンジャミンレイ(撮影:太田裕史)
 ジャパンラグビートップリーグの優勝を争う8強プレーオフの出場権獲得は、7チームとなった。10月13日に第6節の全8試合がおこなわれ、レッドカンファレンスでは、神戸製鋼、トヨタ自動車、サントリーが確定。ホワイトカンファレンスは、先週一番乗りで決めていたパナソニックに続き、ヤマハ発動機、リコー、クボタが勝って同組のトップ4以上が決定した。過去5回の優勝を誇る東芝はクボタに競り負け4敗目を喫し、9〜16位決定トーナメントに進むこととなって優勝争いから脱落した。
 神戸製鋼は大阪・キンチョウスタジアムで豊田自動織機と対戦し、66−37と攻撃力を発揮、レッドカンファレンス首位を守った。世界的スターのSOダン・カーターやCTBアダム・アシュリークーパーらが何度もチャンスメイクし、日本代表復帰を目指すFB山中亮平も躍動。先発のSH日和佐篤と、負傷のWTB井関信介に代わって途中出場したが清水晶大がハットトリックを達成するなど、計10トライを挙げた。
 同カンファレンス2位のトヨタ自動車は東京・秩父宮ラグビー場でNTTコミュニケーションズと対戦し、38−36で競り勝った。
 前半、NTTコムのLO中島進護がパワーと走力を発揮するなどし、トヨタは追いかける展開となったが、27分にHO彦坂圭克が連続攻撃を右隅にフィニッシュして点差を詰め、38分には、防御網に鋭く切り込んだWTB岡田優輝が仲間のサポートも得てゴールラインを割り、逆転。前半20分にもトライを挙げていたルーキーのWTB岡田は、51分(後半11分)にも仲間が作ったチャンスをインゴール右隅に決め、ハットトリックを達成した。57分にはWTBヘンリー ジェイミーが左外で2人のタックラーを振り切ってファイブポインターとなり、点差を拡大。
 一方、16点ビハインドとなったNTTコムは、相手にイエローカードが出て数的有利となった終盤、2トライを奪い返して2点差としたが、トヨタがリードを守り切り、熱闘を制した。
 なかなか調子が上がらない前年度王者のサントリーだが、福岡・グローバルアリーナで宗像サニックスから6トライを挙げて40−18で勝利し、今季初めてボーナスポイントを獲得している(トライ数で相手より3本以上多かったため)。
 ミスが多く何度も好機をつぶしたサントリーだが、1点を追う前半33分、敵陣深くでボールを動かしLOジョーダン・スマイラーが逆転トライ。サニックスにイエローが出て数的有利となった39分にはモールで押し込み取り切った。サントリーは19−8で迎えた後半早々にもラインアウトからのドライビングモールで追加点。54分にはゴール前のスクラムで圧倒し、ペナルティトライを獲得した。
 一方、ホームで今季初勝利を目指したサニックスだが、反則を繰り返してイエローカードを3枚もらうなど自分たちで厳しいゲームにしてしまった。セットピースは安定せず、64分のサントリーのトライはサニックスのラインアウト失敗からだった。
 レッドカンファレンスのもう1試合は千葉・柏の葉公園総合競技場でおこなわれ、NECが日野を38−12で下している。NECは6トライを挙げてボーナスポイントも獲得し、総勝点を14に伸ばして、6位から4位に浮上した。
 1〜8位決定トーナメント進出をかけたレッドカンファレンス4位をめぐる争いは、総勝点14のNECとNTTコム、そして2ポイント差で追う豊田自動織機の3チームに絞り込まれた。10月20日のリーグ戦最終節、現在4位のNECは首位の神戸製鋼が相手となり、勝利数がライバルより少ないNTTコムは6連敗中の宗像サニックスと対戦、豊田自動織機はトヨタ自動車との愛知ダービーにすべてをかける。

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上位トーナメント進出へ望みをつないだNEC。日野戦ではマリティノ・ネマニが先制トライ
(撮影:見明亨徳)
 ホワイトカンファレンスでは、唯一の全勝チームだったパナソニックにリコーが土をつけた。リコーは敵地の群馬・太田市運動公園陸上競技場に乗り込み、26−17で、14年ぶりのワイルドナイツ戦勝利となった。
 リコーは試合序盤、スクラムからの攻撃で、WTB渡邊昌紀がブレイクスルーしてチャンスとなり、たたみかけて、NO8松橋周平が先制した。26分には松橋が自陣深くで3人のタックラーを外してから力強い走りで大きくゲインし、ハーフウェイを過ぎて仲間が次々とつなぎ、SOブライス・ヘガティが判断良くディフェンス裏に蹴ったボールをWTB渡邊が確保しゴールに持ち込んだ。
 その後、リコーは逆転され5点ビハインドで折り返したが、後半早々、パナソニックにイエローカードが出て数的有利になると、49分、FL武者大輔が敵陣22メートルライン付近からスペースを走り抜けてゴールに持ち込み、同点。ヘガティのコンバージョン成功で逆転した。その後、果敢に攻め続けるも追加点獲得に苦労していたリコーだが、72分、FWのピック&ゴーでゴールに迫ると、LOブロードハースト マイケルが突進ではなく意表を突いたパスでFLコリン・ボークのトライを演出。後半は無失点の堅守も光り、優勝争いへ向けて大きな自信を得た。
 パナソニックを抜いてホワイトカンファレンスの首位に立ったのはヤマハ発動機だ。秩父宮ラグビー場でキヤノンを52−17で下し、勝点5を獲得している。
 ヤマハは14分、21分とHO日野剛志が果敢に突っ込んで得点を重ね、38分にはルーキーのWTB矢富洋則がデビュー戦初トライを挙げた。33−10で迎えた後半、しばらくスコアボードは動かなかったが、ヤマハは66分、かつてセブンズの世界的スターだった南アフリカ代表のFLクワッガ・スミスが自陣10メートルライン付近のブレイクダウンでボールを奪い返してから約60メートル走り切り、リードを拡大。そして最後は、ヤマハキャップ194で記録を更新したという15年目のベテランPR山村亮がトライで締めくくり、快勝となった。
 そして、クボタは、総勝点のリードが3ポイント差だった東芝と対戦し、26−24で大一番を制した。
 福島・いわきグリーンフィールドでおこなわれたこの試合、10点ビハインドで後半を迎えたクボタは、50分にNO8ドウェイン・フェルミューレンがインターセプトからトライを挙げ、61分にはCTBバーガー・オーデンダールのラインブレイクからチャンスとなってパスをもらったFBゲラード・ファンデンヒーファーが走り切り、逆転。79分に東芝のSH小川高廣がPGを決めて再びゲームはひっくり返ったが、試合終了間際、東芝がスクラムで反則を犯してクボタのショットチャンスとなり、ファンデンヒーファーが決めて、天国と地獄を分ける劇的な幕切れとなった。
 ホワイトカンファレンスのもう1試合は長崎・かきどまり陸上競技場でおこなわれ、Hondaがコカ・コーラから8トライを奪い、52−31で、トップリーグ復帰後の初勝利をあげている。
 コカ・コーラは6連敗。
 次週はリーグ戦最終節(第7節)だが、日本代表のプロテクト選手は10月26日から始まる強化試合やテストマッチへ向けて準備およびコンディション調整に入るため、出場不可となる。それに伴い、第7節は「プロテクト節」となり、各チームはプロテクト対象選手数に応じて、外国籍選手の試合エントリー数およびオン・ザ・ピッチ数を増やすことが可能となる。

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Hondaのジョシュ・ベックハイスらがコカ・コーラのアタックを止める(撮影:Hiroaki.UENO)

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