海外
2017.02.12
日本、またも世界を驚かす。パナソニックがワラターズ、レベルズに連勝!
日いづる国から来た野武士たちがブリスベン・サンコープスタジアムの観客に万雷の拍手で称えられた。
2月11日に開幕した「ブリスベン・グローバル・テンズ」。初日は気温36度という酷暑の中で15試合が行われた。日本から参加したパナソニック ワイルドナイツはワラターズを15−5、レベルズを17−12とスーパーラグビーのオーストラリアチームを続けて下し、決勝トーナメント進出に大きく前進した。
明日12日は10時27分(現地時間)からニュージーランドのチーフスと対戦。勝つか引き分けで決勝トーナメント進出、負けた場合は得失点差で順位が決まる(大会初日の全結果はページ下)。
地元ブリスベン出身で、今大会のゲームキャプテンを務めるヒーナン ダニエルは会見で胸を張った。
「日本でプレーしていることで、僕の存在を忘れられたかもしれないけど、今日、日本のラグビーがどれだけレベルが高いか証明できたと思う」
初戦でワラターズを15−5と下すと、2戦目ではアマナキ・レレィ・マフィも出場していたレベルズに17−12で競り勝った。
スーパーラグビー開幕の2週間前、ウォームアップ試合としての意味合いもあった中、シーズン終了直後に参戦したことがプラスに働いた。ワラターズ戦で同点トライを挙げたホラニ龍コリニアシが言う。「僕らのほうがゲーム勘もゲームフィットネスもあった」。10人制はセブンズよりもコンタクトが激しく、15人制より少ない人数で同じスペースを守らなくてはいけない。防御の堅さ、瞬時にディフェンスから攻撃に切り替わるパナソニックのスタイルが、10人制の戦い方に合致していたことも躍進の理由だろう。
地元出身であるべりック・バーンズ、ベン・ガンターの献身、抜かれたら終わりの場面で着実に相手を仕留めた山田章仁。そして大東大在学中でいきなり世界トップの大会に抜擢されたSH小山大輝。パスさばき、自ら抜いていく判断とも輝きを放った。
「僕の一番の目標だったスーパーラグビーの選手たちと互角にやれた」。レベルズ戦で好判断からトライを決めた藤田慶和は笑顔で振り返った。
明日の予選最終戦の相手はチーフス。大会一番の驚きと周囲の評価は高まるが、ロビー・ディーンズ監督は「相手はスーパーラグビーで優勝しているニュージーランドの王者。今日のことはリセットして、また一から臨みます」。謙虚な姿勢を貫いた。
トゥーロン(フランス)でプレーしている五郎丸歩もブランビーズ戦、フォース戦(ともにオーストラリア勢)に出場したが、チームは連敗。予選敗退が決まった。「久々の試合出場で楽しかったけれど、結果がついてこなくて残念。残り1試合、全力を出しきりたい」と、こちらも明日を見据えた。
(文:森本優子)
地元の子どもたちもハッピを着てパナソニックを応援(撮影:早浪章弘)
<大会初日 結果>
【プールA】
レベルズ(豪州) 19−5 チーフス(NZ)
パナソニック(日本) 15−5 ワラターズ(豪州)
パナソニック 17−12 レベルズ
チーフス 26−14 ワラターズ
【プールB】
レッズ(豪州) 17−17 ブルーズ(NZ)
クルセイダーズ(NZ) 12−7 サモア
クルセイダーズ 28−0 レッズ
サモア 27−14 ブルーズ
【プールC】
ブルー・ブルズ(南ア) 14−10 フォース(豪州) ※ フォースはプールD
ハイランダーズ(NZ) 14−7 ブランビーズ(豪州)
ブランビーズ 10−0 トゥーロン(フランス) ※ トゥーロンはプールD
ハイランダーズ 13−5 ハリケーンズ(NZ) ※ ハリケーンズはプールD
ブランビーズ 7−5 ブルー・ブルズ
【プールD】
フォース 10−14 ブルー・ブルズ ※ ブルー・ブルズはプールC
トゥーロン 0−10 ブランビーズ ※ ブランビーズはプールC
ハリケーンズ 5−13 ハイランダーズ ※ ハイランダーズはプールC
ハリケーンズ 19−12 フォース
フォース 7−5 トゥーロン
※ 各組総当たり。プールC、Dのチームは違う組の1チームとも対戦。各組上位2チームがノックアウト方式の決勝トーナメントに進む。
◆2月12日の主な試合予定(時刻は現地時間。日本との時差はプラス1時間)
・10:27 パナソニック vs チーフス
・11:50 トゥーロン vs ハリケーンズ
・12:48〜 準々決勝
・15:31〜 準決勝
・17:40 決勝
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