国内 2026.11.03

【ラグリパ×リーグワン共同企画】「ラグビーで人生が変わった」。高城勝一が古巣との対戦に懸ける思い

【ラグリパ×リーグワン共同企画】「ラグビーで人生が変わった」。高城勝一が古巣との対戦に懸ける思い
身長197㎝体重112㎏のサイズを持つ28歳。新天地での飛躍を誓う©JRLO

 10月31日、レッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)を59-12で下した三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)。LOで先発した高城勝一は、FBのセミシ・マシレワにつなぐパスでトライを演出した。それでも試合後、28歳の口から先に出たのは課題だった。

「前回よりワークレートは上げられた。でも、フェーズが重なったあとの動きやオフ・ザ・ボールはまだまだ」

 10月11日の日本製鉄釜石シーウェイブス戦を終えた際に挙げた課題は「キャリーとワークレート」。その改善を意識して臨んだ一戦だった。結果を残しても満足はしない。その姿勢の原点を辿ると、高校時代の恩師との出会いに行き着く。

 中学までは柔道部だった。大阪府立汎愛高等学校の入学式の日、目立つ髪型で正門をくぐった高城は、生徒指導をしていたラグビー部の顧問に声を掛けられた。「ラグビーはヤンチャなお前にも絶対に合っている」。当初は興味がなく、聞き流していた。それでも顧問は授業が終わるたびに廊下で待っていたという。

「気づいたら入部していました」

 ウエイトトレーニングで体が大きくなるにつれ、ラグビーの面白さに引き込まれていった。

 摂南大を経て、2021年に東芝ブレイブルーパス(現・東芝ブレイブルーパス武蔵)へ社員選手として加入。「頭脳で入ることなんて絶対にできなかった。ラグビーがあったから入社できた」。ただ、日本代表経験者もそろう強豪でメンバー争いに加わるのは容易ではなかった。

 そんなとき、手を差し伸べてくれたのがリーチ マイケルだった。全体練習後にタックルし、起き上がり、またタックルする。居残り練習を重ね、周囲から「いつでもメンバーにいける」と言われるまでになった。それでもリーグワン初キャップには届かなかった。

「『東芝でキャップをつかんで活躍したい』と、ずっと思っていた。このまま会社員として……とも考えた。でも、自分もできるというのがずっとあった」

 大好きだったチームを離れ、プロとして新たな環境に身を置く決断をした。移籍の意向はチームメートにも伏せていたが、話を聞いたリーチにラウンジへ呼ばれ、「頑張れよ」と背中を押された。「寂しかったけど、試合に出るのが目標なので」。

 いまもリーチから時折電話がかかってくる。メンバー表に名前があれば「調子いいんじゃない?」と声を掛けてくれる。「僕だけじゃなく、後輩みんなに目を掛けてくれる。すごく人望のある方です」。

 約2週間後には、古巣・ブレイブルーパスとの対戦を控える。「リーチさんがキャリーしてきたらタックル、セカンドならスティールを狙いたい。アタックなら、目の前にいても突っ込んでいきます」。恩人との対決にも気後れはない。

「ラグビーで人生を変えたくないか」

 高校時代、顧問から投げ掛けられた言葉に、いまなら答えられる。「本当に人生が変わった。ラグビーで食っていくぞと思えたのは、宮畑先生との出会いがあったから」。ディビジョン1で活躍する姿を見せ、家族や恩師に感謝を届けたい。これまでかなわなかった公式戦出場への思いを胸に、高城は相模原の地で自分の可能性を証明しようとしている。

(宮本隆介)

▼周辺の証言
SH岩村昂太
「真面目で、愚直に自分の仕事を全うしてくれる選手です。普段はとても静かですし、人見知りな一面もありますが、選手としてはコツコツと自分の役割を果たしてくれる頼もしい存在です」

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