【ラグリパ×リーグワン共同企画】李承信も認める努力の人、福西隼杜が目指す次のステップ
「こうやって試合ができる環境を与えていただいたのは、自分にとってチャンスだと思っています」
コベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)のフランカー・福西隼杜にとって、今季のリーグワンライジングは貴重な機会となった。
2022-23シーズンのアーリーエントリーで神戸Sに加入したが、大学での試合中に重傷を負った。手術を経て復帰したものの、試合に絡めない時期が長く続いた。それはけがの影響というより「自分の力不足」と福西は言い切る。「僕は特に、スキルの部分があまりうまくないので、そこで自分とチームとの差を感じていました」。
兵庫県出身で、父親の影響を受けて3歳からラグビーを始めた。強豪・報徳学園高等学校を経て京都産業大学に進学。その間、年代別代表にも選ばれ、高校と大学では主将も務めた。幼いころから親しんできた地元の神戸Sに入ったが、そこで味わったのはラグビー人生初と言っていい挫折だった。
「試合に出られないと、自分としても意味がないと思います」と苦しさをかみしめる。一方で、「ただ、出ていないからといって、チームの役に立たないことをしていては絶対にダメ。出場を目指しながら自分のスキルを高め、チームのためになることをしたいと思っていました」と、焦る気持ちを抑えつつ、前を向いて練習に取り組んできた。
公式戦初キャップは、2024年12月21日のNTTリーグワン2024-25 ディビジョン1 第1節・静岡ブルーレヴズ戦まで待つことになった。そのときの気持ちを問われた福西は、「ずっと試合に出たいと思っていたので、本当にうれしかったです」と一瞬だけ笑顔を見せた。しかし、その後は再び出場機会を得られない時期が続いた。
そんな状況の中、久しぶりに巡ってきたアピールの場が、今年のリーグワンライジングだった。神戸Sはこの夏、クラブOBのアンドリュー・エリス氏を新しいヘッドコーチに迎え、かつての総監督、ウェイン・スミス氏がヘッド・オブ・コーチングに就任するなど、コーチングスタッフが大きく入れ替わった。
「いまの自分がどういう選手なのか、新しいコーチ陣に自分のキャラクターを見せないといけないというのはすごく感じていました」
10月10日に行われたルリーロ福岡戦では、一度ピッチを出た時間があったものの後半途中まで出場。得意とする低いタックルも見せ、90対0での圧勝に貢献した。
「課題のスキルの部分では克服できたこともありましたが、逆に新しい課題もあったと感じています」と反省も見せる。「いただいたチャンスはすごくありがたいし、それプラス、ラグビーの試合もさせていただいて、楽しさも感じました」と喜びも口にした。
今後について、「いまは試合に出ることが目標です。ただ出るだけではなく、しっかり勝利に貢献し、連覇を達成できるように頑張りたいと思います」と福西。話を聞いた宮崎県屋外型トレーニングセンターは、代表の合宿地でもある。「もちろん、代表に選ばれたいという気持ちはあります」と先も見据え、「代表としてこの地に戻ってきたいです」と力強く語った。
(高浜確也)
▼周辺の証言
SO李承信
「小学校からのライバルと同じチームに入ったときは、うれしかったです。彼は真面目で、自分の成長に妥協しません。ここまで努力する選手はあまり見たことがないので、本当にリスペクトしています。(オフでは)おちゃらけた面もありますが、常に明るくて気遣いができる人ですね。ただ、グラウンドに一歩入るとスイッチが入り、激しくタックルに行きます。彼の努力は必ず報われると思っています。一緒にグラウンドに立って、連覇を達成したいですね」




