国内 2026.09.16

「100人の子どもたちを秩父宮に連れて行きたい」。クリーンファイターズ山梨・児玉久TDがクラウドファンディングをやるワケ

[ 編集部 ]
「100人の子どもたちを秩父宮に連れて行きたい」。クリーンファイターズ山梨・児玉久TDがクラウドファンディングをやるワケ
山梨でのラグビースクールに参加するクリーンファイターズ選手(撮影:クリーンファイターズ山梨)

「ラグビースクールの子どもたち100人を秩父宮に連れて行きたい」

 2026年の社会人リーグ開幕の中で、トップイーストのクリーンファイターズ山梨の児玉久チームディレクターが一つの挑戦を始めた。

 児玉TDは國學院久我山-早稲田で楕円球を追いかけ1990年に卒業、その後は大手商社等に勤務。2019年、日本中を熱狂させたラグビーワールドカップを経験し、本人曰く「楽しすぎて!」そこからスポーツに関わりたい、できれば自分を育ててくれたラグビーに関わる仕事がしたい、という思いは年々大きくなっていた。

 そんな児玉に転機が訪れたのは2024年秋。「クリーンファイターズのチームディレクターをやってみないか」と久我山の先輩である同チーム相澤輝雄GMから声がかかったのだ。

 児玉の長年のモヤモヤした思いは、先輩からのこの一言で吹っ切れた。勤務先を退職し、2025年春から山梨に拠点を移しての第二のラグビー人生が始まった。

グラウンドではウオーター係に用具係と裏方はなんでもやる

「山梨のラグビー熱はとても高いんです。名門の日川高校や東海大甲府他の高校、山梨学院大学、クリーンファイターズと、各世代ごとにチームがバランスよく存在します。そして、こうしたチームの出身者がラグビースクールを運営・指導され、競技人口の拡大に尽力されています」

 児玉の日常は、県内のスポンサー企業まわり、そして県内ラグビー関係者と連携した普及活動の企画などだ。

「現在7つのスクールが県内にあり、熱心な指導者のもとに密度の高い活動をみなさんやっておられます。ただ、県外育ちの自分たちと違うなと思う点もあります。それは大観衆の集まる試合を見る機会が圧倒的に少ないという点です。自分たちは秩父宮や国立競技場に足繁く通って代表戦や早明戦など、満員のスタンドの興奮を味わって、いつかあそこに立ってみたい、と思いました。自分が早稲田までラグビーをやろうと思ったのも満員の国立での早明戦を観たからです。あの時の体験が絶対早稲田でやりたい、という思いを支えてくれたからだと思っています」

満員の早明戦がラグビーへの情熱の原点という60歳

 現在山梨県では年2試合ほどのリーグワンの公式戦、UTY招待ラグビーとして大学トップチーム同士の1試合が行われている。ここまで実現するのにも県内のラグビー関係者の並大抵ではない努力があるのだが、いかんせん機会は限られている。他にもクリーンファイターズのホーム戦は4戦ほど、山梨学院大のホーム戦と、確かに生でラグビーの試合を見る機会は東京近辺に比べると圧倒的に少ないと言わざるを得ない。

 そこへ今年のクリーンファイターズの試合日程が届いた。12月5日、秩父宮開催。

「これは、なんとしてでも山梨の子どもたちをここへ連れていきたい、という思いに駆られました。秩父宮は改修の計画もありますし、たくさんの名勝負を産んだあの場所でラグビーをみられるのもそんなに機会は残されていません。もちろん、クリーンファイターズの応援もしてもらいたいという思いもあります。選手たちは日頃クリニックなどで子どもたちと仲良くしています。そのいつもラグビーを教えてくれるお兄さんのような存在が、聖地秩父宮に立つ姿は、子どもたちに対する無言のメッセージになると思うんです」

 招待した子どもたちにはロッカールームツアーやピッチサイドウオークなども企画中で、現在関東ラグビー協会、秩父宮に打診中という。実現すれば、子どもたちにとって生涯の思い出となる企画だ。

 とはいえ、経営母体となる企業を持たないクラブチームであるクリーンファイターズのチーム経営も決して楽ではない。そこで選択したのがクラウドファンディングだ。

「支援をしてくださった方には当日の観戦チケットなどをリターンとして提供します。秩父宮のスタンドにいる子供達の輝いている顔を一緒にみて貰いたいです。僕は現在60歳。昭和のラグビーブームに育った世代です。このクラウドファンディングは僕らの世代から、次の世代にラグビーの熱量というバトンを渡すことにもなると思っています」

クラウドファンディングの募集は10月末日までおこなわれている。
https://camp-fire.jp/projects/968729/

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