国内 2026.08.31

個性派束ねた経験あり。明大・大和哲将、相手にとって「面倒くさい」選手を目指す。

[ 向 風見也 ]
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個性派束ねた経験あり。明大・大和哲将、相手にとって「面倒くさい」選手を目指す。
大和哲将[明大・CTB](筆者撮影)

 かゆい所に手が届く。

 昨季、7季ぶり14度目の大学日本一を達成した明大ラグビー部にあって、今季ブレイクを予感させる3年生部員がいる。
 
 大和哲将。関東大学春季大会や夏合宿中の練習試合などで、おもに前年度主将の平翔太と同じ12番をつけてプレーしてきた。身長170センチ、体重86キロと決して大柄ではないものの、攻守で躊躇なく鋭くぶつかれるうえ、防御を引き寄せながらのパスで再三チャンスメイク。ルーズボール、ピンチへの反応も秀でる。

「いいランナーにいい(ボールを)放るのが役割。意識しています。流れた状態でも、最後(抛る瞬間)は相手と正対してパスをする。(守りについては)普段からの練習やいままでの経験で自信をつけている。何より僕のポジションは前に出てプレッシャーをかける位置です。チームのためにも身体を張るようにしています」

 卒業後も競技を続けるつもりで、目指す将来像は明確だ。

「(対戦相手に)『あいつがいると面倒くさい』と思われるような、常に『(局面に)ずっといる』選手になりたい」

 手本にしているのは2人のCTBだ。まず、自身と似たサイズで東芝ブレイブルーパス東京を支える眞野泰地。もうひとりは、パワーを誇りながらもどこか「脱力」した風情というアイルランド代表71キャップ(ブリティッシュ&アイリッシュライオンズ4キャップ)のバンディ・アキである。

 周りに大型選手が増えてきたなか、限られたサイズを強みに変えてきたのが大和というチャンスメーカーだ。

「低さの部分と、頑張るところでは負けたくない」

 明大の高野彬夫新監督曰く、「優等生です。真面目で、模範になってくれる性格、態度です。継続して(同じことが)できる」。その資質は、入学前から変わらないようだ。

 出身は佐賀工高。全国屈指のこの古豪では主将を務め、現早大の服部亮太、筑波大に進んだ井上達木という、自らとともに高校日本代表となる個性派を束ねた。戦いやトレーニングについて指導陣と選手の意見が食い違うたび、大和が調整役を担った。

「まず監督やコーチの言ったことを実践してみて、次に服部や達木の思ったようにやる。そのうえでどっちがいいのかをチームで話し合い、その答えを監督に話に行く…ということを、よくやっていました。自分の考えを持っている選手が多いなかで色んな意見を採り入れ、発信する力がつきました」

 当時17、18歳にして、老舗企業の中間管理職を経験したようなものだ。全国の俊英が集まる明大でも、その歩みが活きているという。

「一緒にやるSO(司令塔)によって考え方が違うなか、自分が相手に合わせるだけでなく、周りに(意図を)発信するようにしています。高校時代の経験が活きているんじゃないかと。最初は難しかったですが」

 8月25日も菅平で踊った。一昨季までV4の帝京大とトレーニングマッチをおこない、動き回った。

 しかし、19-42で敗れた。自陣の深い位置から大胆に攻め続けながら、決定機を逃したり、エアポケットに入ったような時間帯に連続で失点したりと苦しんだ。

「きつくなってきた時にうまく攻められなくなったというスキルのなさ、ゴール前で守り切れなかったことが課題です。しんどいなかこそコミュニケーションを取るのがベーシック。それを意識すれば、ミスは減っていくのかなと。それから、どうしてもミスは起こりますが、そのミスを皆でどうカバーするのかも大切になります」

 正鵠を得るようなレビューを残し、9月12日の開幕をにらむ。

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