トップ14のトゥールーズに5億3千万円の制裁金。サラリーキャップ規定の上限を超過
TOP14決勝でモンペリエを28-20で破り、4シーズン連続の王者に輝いたばかりのスタッド・トゥールーザンに対し、巨額の制裁金が科されることが決定した。2021年から2025年にかけての各シーズンにおいて、サラリーキャップ規定における透明性の義務を怠り、給与総額の上限を超過していたためである。
7月上旬の発表が見込まれていたこの決定は、6月27日の決勝戦以来、大きな注目を集めていた。プロリーグ運営団体(LNR)は7月3日(金)、複数年にわたる2つの事案でサラリーキャップ規定に違反したとして、スタッド・トゥールーザンに288万ユーロ(約5億3,280万円)の罰金処分を下したと発表した。
現行の規定上、勝ち点剥奪などのスポーツ面における制裁は含まれていない。また、この種の案件における罰金額としては過去最高額ではなく、2020年にモンペリエが支払った300万ユーロ(約5億5,500万円)を下回る規模に留まった。当初、スタッド・トゥールーザンには最大500万ユーロ(約9億2,500万円)の罰金が科される恐れもあったという。
リーグ側とクラブによる調停は合意に至らず、LNRは規定に則り、本件をサラリーキャップ専門規律委員会へと付託した。その後、5月26日の聴聞会を経て、同委員会はクラブが直近4シーズンのうち3シーズン(2021-2022、2022-2023、2024-2025)で規定の上限を超過していた事実を認定。さらに2021年から2025年にかけて「透明性および協力に関する一般的義務への不履行」があったとして有罪の判断を下した。
LNRは「スタッド・トゥールーザンは、理由付決定書の通知から7日以内にフランスラグビー協会の控訴委員会へ不服申し立てを行う猶予がある」と説明。一方で、執行停止を求めるクラブ側の要求は認められなかったため、仮に控訴の手続きをとったとしても処分の執行は免れないとしている。
リーグ側が問題視している主な点は、フランス代表FL/NO8アントニー・ジュロンと、クラブのパートナー企業である空港サービス会社「3S-Alyzia」との間で交わされた肖像権契約である。広告活動など目に見える見返りを伴っておらず、実質的な追加報酬にあたると判断された。もう一つの違反は、選手4人に対する昨シーズンのTOP14優勝ボーナスの支給方法に関するものである。このボーナスは決勝戦の後にクラブと選手の間で合意されたため、サラリーキャップの算定対象外とすることは認められなかった。
規律委員会はプレスリリースの中で、上限超過に関する罰金(計183万ユーロ/約3億3,855万円)の算出根拠を説明。本来であればサラリーキャップ対象枠に算入すべきであったにもかかわらず、当初クラブ側が除外していた金額を再算入した結果であるとした。これに加え、「透明性および協力に関する一般的義務への不履行」に対して100万ユーロ(約1億8,500万円)、さらに過去の執行猶予の取り消し分として5万ユーロ(約925万円)の支払いが命じられている。
スタッド・トゥールーザンにとって、これは直近3年間で5度目の処分となる。過去には、今回と同じパートナー企業とアントワンヌ・デュポンとの間で交わされた肖像権契約を巡る問題、チェスリン・コルビのトゥーロン移籍に関する問題が浮上。さらにメルヴィン・ジャミネの移籍に絡む不透明なスキームを巡っては2度の制裁を受け、130万ユーロ(約2億4,050万円)を支払っている。
なお、ジャミネの移籍事案に関してはすでに司法当局が動いており、高度経済・組織犯罪を専門に扱うボルドー広域専門司法部(JIRS)へ捜査が移管された。容疑も「組織的詐欺」「組織的資金洗浄」および「会社資産の組織的私的流用」へと拡大され、本格的な捜査が進められている。
この発表に対し、スタッド・トゥールーザンは以下の声明を出した。
「クラブはこの決定、および科された制裁措置を厳粛に受け止める。今回の処分は、リーグ側が当初要求していた金額(500万ユーロ)を大きく下回ってはいるものの、我々にとっては極めて不当なものであることに変わりはない。いくつかの点においては処分が不釣り合いであり、また別の点においては完全に根拠を欠いている。規律委員会が示した判断の根拠、およびそれに対するクラブの見解の詳細については、近日中に直接、あるいは弁護団を通じて改めて表明する。不服申し立てを行うか否かについては、来週初めに合意の上で決定する」




