日本代表 2026.06.30

「コンテストは結構ワクワク」。日本代表・植田和磨が空中戦を楽しむわけ

[ 向 風見也 ]
「コンテストは結構ワクワク」。日本代表・植田和磨が空中戦を楽しむわけ
WTB植田和磨©︎JRFU

 ジャンプとキャッチが大切だ。

 攻防のシステムが整い地上戦の強度が増した最近のラグビーにあって、高く蹴り上げられたボールをどちらが確保するかで勝敗がわかれることが増えたか。ランとパスを主体としたアタックが好きそうな指導者、エディー・ジョーンズとて、その傾向を認めている。

 そのジョーンズがヘッドコーチを務めて3季目の日本代表にあって、肝心の空中戦を好むひとりが植田和磨である。

「相手がどんなキックを蹴ってきても、こっち(味方)がどんなキックを蹴っても、そこに対してコンテストすることは絶対に止めない」

 身長177センチ、体重87キロの23歳は、近大時代の2024年に男子7人制日本代表としてオリンピックパリ大会に出場。15人制のラグビーでは端側のWTBを主戦場とし、現所属先のコベルコ神戸スティーラーズで持ち前の速さ、跳躍の高さを活かす。

 現ニュージーランド代表指揮官である「レンズ」ことデイブ・レニーヘッドコーチのもと、昨季は実質0年目ながら国内リーグワンの終盤戦で主力に定着。直近のシーズンでは一時メンバー外を経験しながら、クライマックスで先発に戻ってクラブにとり2018年度以来の日本一に喜ぶ。

「レンズは…。競争が激しいなかでチャンスをくれて、いいところはいいと褒めてくれるし、あかんところはあかんと言ってくれて。直接、ダイレクトに言ってくれるので、何にフォーカスしたらいいかを明確に取り組めました。本当に色んな経験させてもらえました」

 ボスとの約1年半をこう振り返る若者は、ハイボールキャッチについて「個人的に、コンテストする際は結構ワクワクしてるんで」。対峙する選手が大柄な選手だとしても、その思いは変わらない。

 原点は、出身の報徳学園高時代にあった。照れた様子で話す。

「コンテストボールは中学校の頃(明石ジュニアラグビークラブ)から練習していて、それが強みだと気づいたのは高校の時。(成功すれば)歓声もわく。チームも盛り上がる。ボールが捕れるようになってから、何か、ワクワクする気持ちがありますね」

 成功体験を重ねたい。その思いが原動力だ。話をしたのは6月29日。参加している日本代表が主催するオンライン取材でのことだ。

 ナショナルチームは27日、愛知・パロマ瑞穂スタジアムでJAPAN XVとしてマオリ・オールブラックスに31―38で惜敗。7月4日には東京・秩父宮ラグビー場で、正代表として新設ネーションズチャンピオンシップ初戦に挑む。

 相手はイタリア代表。世界ランクは10位と日本代表よりも2つ上で、国内よりもエアコリジョンの多い欧州で揉まれる強豪だ。マオリ・オールブラックス戦で好捕のあった植田は、次の舞台に立てば日本代表3キャップ目を獲得。無心で跳び、走りたいという。

「持ち味のランとハイボール、大事にしたいです。自分自身が若いということはわかっているので、日本のために、気負わずに、思いっきりラグビー自体を楽しんでプレーしたいです」

 組織としては、向こうが攻め手を変えてきたとしても冷静に守りたい。攻めては正SO候補の伊藤龍之介らとのコンビネーションで、一気にスペースを突きたい。

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