嘘はつけない。スピアーズ・為房慶次朗、プレーオフのスクラムでも「前」に出る
正直者だ。自分の心を欺くとしたら、ラグビーの試合で痛い思いをした時に「痛くない」と強調する時くらいだ。
「それ以外では、嘘、つかないので。当たり前かなと。というか、嘘はつけないです。すぐに顔に出るので」
日本代表20キャップの為房慶次朗が話したのは5月22日。東京・秩父宮ラグビー場でのリーグワン1部プレーオフ準々決勝を2日後に控えてのことだ。雨に降られた本拠地でトレーニングをしたのち、東芝ブレイブルーパス東京との80分を淡々と見据えた。
「(12チーム中3位と)チャレンジャーという立場。ひとりひとりがその意識でやっています。僕自身も絶対に勝ちたい気持ちです」
直近のレギュラーシーズン最終節では、コベルコ神戸スティーラーズに19-24で惜敗。相手のレギュラーシーズン首位通過を許した。
もっとも、自身が登場した試合終盤には、最前列で組むスクラムに好感触があった。鋭いプッシュでスティーラーズの反則を奪った。
「僕個人としてはスクラムでいい収穫がありました。チームとしても、激しいアタックをするチームに対してのディフェンス、フィジカル(の注意点などを確認できた)。プレーオフで(再戦の場合)やり返す準備はできています」
今季就任の山村亮アシスタントコーチのもと、8人全体の繋がりを重んじる。
「大きくは(以前と)変わらない。ただ、3番(為房が務める右PR)は常に前にいる(ことを意識)。3番が前に出ないと、スクラムは安定しないし、相手の1番(左PR)からの攻撃を受けてしまうので」
同じ位置で切磋琢磨してきたオペティ・ヘルが、家族の不幸のため母国トンガへ帰国。今度の決戦でスターターを担う身長180センチ、体重108キロの24歳は、「オペティが悲しい思いをしている。僕たちが試合に勝って、少しでも元気づけたいです」。試合のポイントとなる衝突合戦で、虚飾のない強さを示す。




