ブラックラムズを知って欲しい。元主将の松橋周平が感じる仲間のチーム「愛」。
すっかり定着させた。
リコーブラックラムズ東京は3月13日、ジャパンラグビーリーグワン1部の第11節へ向けた前日練習を世田谷区立立野小学校で実施した。
昨季就任のタンバイ・マットソンヘッドコーチのもと、定期的に近隣の学校で身体を動かすようになり2シーズン目に突入した。
選手も手慣れた様子。この日は三々五々、車で集まり、6年生と集合写真を撮影。ここからフィールドの隅々に散った児童とのパス交換を楽しむと、子どもたちの声援を背に受けて攻防の連係をチェックした。
ファンの声に包まれながらチームメイト同士でコミュニケーションを取る様子は、公式戦さながらとも取れるような。FLで先発予定の松橋周平は笑う。
「凄かったですね。試合みたいな歓声がありました」
身長180センチ、体重100キロで強靭な32歳。旧トップリーグ時代の2016年度に明大から加わると、強烈なランニングとスティールを長所に新人賞を獲得した。
以後は主将を経験し、長らくリーダー陣の一員となっている。
クラブの地域化、社会化を目指すリーグワンへ移行したのは’21年度。直接的に競技と繋がりの薄そうな組織のミッションについても、年長者らしく当事者意識を持つ。
「世田谷区の皆にブラックラムズを知ってもらわないといけない課題がありました。一貫してこういう活動に取り組むことで、未来にいいことが起きると信じています。実際、意外にブラックラムズを知ってくれている人がいる一方、これを機に(認知して)試合に来てくれる人もいます」
自分たちを地域に知ってもらう一環で取り組んでいるのが、件の公開セッションなのだ。
他には、二子玉川駅周辺でのビラ配りも実施した。試行錯誤を重ねる。
「最初は紙1枚(を配布)。それでは受け取ってもらえない。『改善しよう!』となり、ビラをクリアファイルに入れて渡すようにしたらもらってくれる人が増えてきました」
リーグワン元年からの順位は9、7、10、7位。現体制1季目の昨年度にはプレーオフまであと一歩と迫り(’24年度に進出枠が4から6に拡大)、今季は第10節までを6勝4敗として12チーム中5位につける。レギュラーシーズンであと8試合を残し、初の大台達成へ近づいている。
今シーズン、いまのところ反則数はリーグ最少だ。セットピースや接点で重圧を受けづらくなっており、練習で安易なペナルティーを犯したら全員でバービージャンプをするなど意識づけも徹底しているからだ。
規律面の充実のほか、芝の外での動きも好成績と無関係ではなさそうだ。松橋は説く。
「自分たちが(集客やプロモーションを)することで、よりチーム愛が生まれている。それが、今年のチームがうまくいっている理由のひとつだと思っています。オフ・ザ・フィールドが、オン・ザ・フィールドに活きています。他のチームがやらないことを率先してやることで、変化も感じてきています」
ここでの「変化」とは、各種のアクティビティにおける主体性を指す。
「最初は少し足が重いところもありましたが、いまは積極的に。率先してスタッフと一緒にビラ配りの準備をするようになってきました。小さいことをやり続けることが大事なんだなと」
充実感と多幸感を滲ませるブラックラムズは、14日、東京・駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場で近所の愛好家を迎える。対峙するのは現在7位の静岡ブルーレヴズだ。
順位の近い者同士の80分。向こうの得意な波状攻撃へ、頼れるボールハンターは持ち前の粘りと「愛」で挑む。




