東京サンゴリアス成長の裏に、「響」グループの存在あり。
第7節の三菱重工相模原ダイナボアーズ戦が降雪で延期となり、4月4日まで続く異例の8連戦が組まれた東京サントリーサンゴリアス。
この過酷なブロックを現在3戦3勝、レギュラーシーズンでは6勝3敗とし、4位につけている。
第9節の静岡ブルーレヴズ戦では、57-24と今季最多得点で大勝した。
その得点力もさることながら、シーズン序盤からの改善が見られるのはディフェンスだ。ブルーレヴズが誇る強力なランナーたちの前進を阻んだ。
アグレッシブアタッキングラグビーを標榜するチームにあって、小野晃征HCは「ボールを持っている時は選手たちが生き生きしているし、一人ひとりのスキルはすごく高い」。
その一方で、「ボールを持っていない時に取り返したいという意識がすごく高まっている」と評価する。
年末のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦(第3節)で79失点を喫し、「自分たちを見つめ直した」という。
「毎週毎週、大きく変えることはできないけど、常に課題を探しながら、シンプルに2つか3つのメッセージを『響グループ』が選手たちに示してくれています」
響グループとは今季のリーダー陣を指す。FLサム・ケイン主将に、副将のSH流大とLOハリー・ホッキングス、そしてHO堀越康介、PR小林賢太SH福田健太の6人から成る。
「(サントリーが製造、販売している)響はいろんなウイスキーをブレンドして作られています。僕らも6人それぞれのリーダーシップを発揮しようと」(堀越)
中でも、かつてオールブラックスのスキッパーだったサム・ケインの存在は大きい。
「絶対的なリーダーがいて、そのケイノをみんなでサポートしようと動けています。良い会話もできているし、グラウンドで体現できていると思います」
堀越は「まだシーズンは長いので、シーズンが終わった時にあそこ(クボタ戦)がターニングポイントだったといえるようにしたい」と冷静に振り返るも、「ディフェンスは本当に良くなっている」と手応えを語る。
今季入閣したディフェンスを担うトニー・マッガーンアシスタントコーチの考えが浸透してきたという。
マンスターやレベルズのヘッドコーチ、ワラビーズのコーチングコーディネーターなどを歴任し、日本(IBM)でもコーチ経験があるマッガーン氏が掲げるのは「Ball in 4」。4フェーズ以内に相手がボールを手放すことを目指している。
「一人ひとりの役割が明確になっています。タックルした後も次の仕事をやり続けて、少しでもブレイクダウンをカオスにすることを求められています。そうすれば他の選手のサポートができます」
ただ、終盤に課題を残したのも事実だ。52-5と勝負を決めた後ではあったが、後半22分から6分で3トライを許した。
ミックスゾーンに姿を現したSH流大はまず、そこに目を向けた。
「いいところもたくさんあったけど、チャンピオンを目指す上でどうかと言われれば、まだまだ足りません。相手の勢いを止められなかったラスト20分は改善が必要です」
本来であれば今週はバイウィークだが、3月7日には延期となった第7節がおこなわれる。
リカバリーにはこれまで以上に注意を払っていると堀越は言う。
「例えばフロントローはスクラム練習の後にみんなで腰や背中を伸ばしています。あとはセルフストレッチ、マッサージ、交代浴…。トイレの前にも『やりましょう』と張り紙が貼られています。おじさんたちがお風呂に入っている間に、若いメンバーはリカバリーセッションを受けていました」
タフな道のりを、チームで乗り越えてゆく。




