国内 2026.02.27

「放らんでいい」。サンゴリアス新人のパトリック・ヴァカタ、名手のエールを背に突進。

[ 向 風見也 ]
「放らんでいい」。サンゴリアス新人のパトリック・ヴァカタ、名手のエールを背に突進。
パトリック・ヴァカタ[東京SG]のボールキャリー(©︎JRLO)

 期待に応えた。
 
 天理大から東京サントリーサンゴリアスに入って実質1年目のパトリック・ヴァカタは、2月22日、東京・秩父宮ラグビー場での国内リーグワン1部・第9節で新たなステージに辿り着いた。

 今季、自身3試合目となる出番で初先発の座を掴んだのだ。6番をつけタッチライン際での好走、激しい守りをアピールした。

 前半13分には先制点となる初トライを記録。普段からよく面倒を見てくれるNO8のテビタ・タタフをサポートしての1本だ。

 20-19だった後半7分までプレーし、54-22での勝利をベンチで見届けた。試合後、小野晃征ヘッドコーチから好評価は得たものの、自己評価は厳しい。

「自分のなかではまだまだという感じ。ここから頑張ります」

 身長189センチ、体重115キロの23歳。トンガ出身だ。15歳で初来日し、天理大へ入る前は日本航空石川高でプレーした。現役部員に大学の先輩がいないサンゴリアスの門を叩いたのは、旧トップリーグ時代に5度日本一の名門で己を鍛えたかったからだ。

 同じFW第3列のチームメイトには、ニュージーランド代表104キャップのサム・ケイン主将、オーストラリア代表27キャップのショーン・マクマーンら国際的な名手がひしめく。焼肉や寿司をごちそうしてくれるタタフも、日本代表20キャップの突進役だ。

 トップ級の猛者たちから、若者は多くを学ぶ。球を持って当たる際の姿勢の高さ、ラインアウトでの防御方法、スクラムの押し方と、助言は多岐にわたる。

「強い選手のなかで、レベルアップする可能性がある。向こうからいっぱい教えてもらうことがあります。あとは、自分がそのうちでどれを使うか、です」

 背中も押される。力強さを認められているからだろう。先輩たちからは、こんなエールも授かっていた。

「激しく行かなあかん、放らん(パスしない)でいい、ボールを持った瞬間にゲイン(突破)することを考えろ…と」

 今後の目標は、「サントリーのジャージーを(長く)着ること。あとは優勝です」。第7節が雪で延期になった都合上、チームは8連戦の2連戦を消化して12チーム中4位。厳しいスケジュール下で白星を積むうえで、選手層を担保しうる頼れる若手が生まれた。3月1日の第10節(対静岡ブルーレヴズ/静岡・ヤマハスタジアム)では20番でスタンバイする。

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