【リーグワン ディビジョン2】グリーンロケッツ、気迫みなぎる守備でシャトルズに雪辱。勝ち点差「3」に詰め寄る

前半の40分は豊田自動織機シャトルズ愛知が支配した。風上を生かしてキッキングゲームで優位に立ち、ほとんどの時間帯を相手陣で戦う。スクラム、ラインアウトでプレッシャーをかけ、接点のバトルでも当たり勝つ場面が多かった。
開始4分、ゴール前でFWが近場を粘り強く攻めてNO8タレニ・セウのトライで先制。7分にはSOフレディー・バーンズが約40メートルのPGを通し、8-0と先行する。その後も主導権を握り続け、25分過ぎまでは自陣でディフェンスする機会すらなかった。
しかし、たったひとつのプレーがゲームの流れを大きく変える。
27分、シャトルズが相手陣22メートル線内のラインアウトを起点に右オープンに展開。サインプレーからSOバーンズが外のスペースへふわりと浮かせたパスを投じる。通れば2対1という状況だったが、このボールをNECグリーンロケッツ東葛のFBキーガン・ファリアが狙い澄ました飛び出しでインターセプト。そのまま80メートル以上を走りきり、Hポールの真下に押さえた。
結果的にはそのまま8-7で前半終了。シャトルズにすればほぼ完璧にゲームをコントロールしながらたった1点のリードにとどまり、グリーンロケッツにとってはあれだけ劣勢を強いられながらもわずか1点のビハインドで折り返すことができた。この違いが、残り40分の流れを方向づけた。
サイドが入れ替わった後半。風上に回ったグリーンロケッツは、SOリース・パッチェルやFBファリアを軸に蹴り合いでシャトルズを上回り、一転して相手陣でアタックする機会を数多く作り出す。
12分にキックチャージからファリアが右中間に持ち込んだシーンは直前にオフサイドがあったというTMO判定でノートライとなったが、気落ちすることなく一連の流れで攻め続け、18分にスクラム起点の左展開からWTB尾又寛汰がフィニッシュ。12-8と逆転すると、25分には相手陣ゴール前に居座り続けてペナルティをもぎ取り、SOパッチェルのPGで3点を加える。
シャトルズに3枚のイエローカードが出される中、ラインアウトの不調もあってなかなかスコアを伸ばせなかったグリーンロケッツだが、15人が一丸となって体を当て続けるディフェンスは最後まで衰えなかった。30分以降の自陣ゴール前でのピンチも堂々と守り抜き、7点のリードを守り抜いてフルタイムを迎えた。
1月18日の第4節では0-42で大敗を喫した相手に、ホストゲームで見事雪辱を果たしたグリーンロケッツ。貴重な白星をつかみ、首位シャトルズとの勝ち点差を「3」に縮めた。
それまで触れてこなかった前回対戦時の話を今週の練習で初めて話し、雪辱への士気を高めてきたというウェイン・ピヴァックHCは、「選手たちにはギャングのようなメンタリティを持ち、ディフェンスで努力してほしいと伝えた。早い時間帯でケガ人が出てポジションが入れ替わる中、勝ち点4を取ることができて満足している」とチームの奮闘を讃えた。