国内 2024.12.22

【リーグワン】静岡ブルーレヴズが劇的逆転勝利。コベルコ神戸スティーラーズ破る。静岡流”ボムスコッド”作戦実る。

[ 編集部 ]
【リーグワン】静岡ブルーレヴズが劇的逆転勝利。コベルコ神戸スティーラーズ破る。静岡流”ボムスコッド”作戦実る。
ロスタイムにヴェティ・トゥポウのトライで喜ぶ静岡ブルーレヴズ(撮影:福地和男)

■NTTリーグワンD1第1節・12月21日@ヤマハスタジアム(静岡)
【静岡BR 15-13 神戸S】

 リーグワンでは初めて開幕節をヤマハスタジアムで迎えた静岡ブルーレヴズ。雨の中駆けつけた8,498人のファンを喜ばせた。
 サヨナラ逆転勝利で、コベルコ神戸スティーラーズとの激闘を15-13で制したのだ。

 互いにプレシーズンで培った堅守を見せる中、大きく試合が動いたのは13-3とスティーラーズリードで迎えた後半23分だ。
 ブルーレヴズがラインアウトのアタックを起点にWTBヴァレンス・タファーテが切れ味鋭いランで突破、そのままインゴールまで持ち込む。5点差まで迫った。

 藤井雄一郎監督は先んじて交代カードを切っていた。
 7分から9分にかけてFLヴェティ・トゥポウら4人のFWを投入。そして21分には、1週前に加入が発表されたばかりの秘密兵器、WTBタファーテをピッチに送った。その2分後に生まれたトライだった。

 この日のブレイクダウンでの攻防は、後半途中までスティーラーズが優勢。そこで幾度もターンオーバーが起きた。
 しかし、ブルーレヴズはリザーブ陣がその優劣を変える。南アフリカではお馴染みの”ボムスコッド”が防御網に風穴を開けた。FLヴェティ、LO桑野詠真らが次々と前に出た。

 30分頃には「ファールプレーレビューオフィシャル」による検証の結果、シンビンで一時退場していた神戸LOジェラード・カウリートゥイオティにレッドカードが通達される。
 ブルーレヴズは数的優位のまま多くの時間を敵陣で過ごせた。

 スタジアムの熱気が最高潮に達したのは、後半40分を知らせるホーンが鳴った後だ。
 16フェーズ重ねた連続攻撃の末に、相手のペナルティを引き出す。直後、ラインアウトモールを押し込んでゴールラインを割った。

 しかし、TMOで慎重に判定された結果、直前のオブストラクションを取られてスコアならず。その前の相手のペナルティから再開に。ただ、直後のアタックの際に神戸CTBナニ・ラウマペがハイタックルでのシンビンを受け、相手は13人となった。

 次の攻防でついに決着がついた。最後はFLヴェティがゴールラインを割って13-13。
 ほぼ正面のコンバージョンをSOサム・グリーンが沈め、最終スコアを刻んだ。

「最後の最後に勝てばいい」と試合前に選手たちを送り出した、藤井雄一郎監督は表情を崩す。
「本当の最後の最後で勝てた。僕の血圧はマックスまでいきました」

 リザーブにFW6人を並べ、後半の序盤から迷うことなくカードを切っていくプランについて、「昨シーズンは最後の最後に同点に追いつかれたり、1点差で負けたりという試合が多かった。ノーサイドまでを意識して、インパクトメンバーがインパクトを出す練習をかなりやってきた」と説明した。

 後半に幾度もラックに体を入れてターンオーバーを決めるなど、この日もさすがのパフォーマンスを見せたFLクワッガ・スミス主将は、「自分が(代表期間で)いない間に他の選手たちが本当にハードワークしてきた結果が出た」と仲間を称え、すぐに気持ちを切り替える。

「今日は勝てて本当に嬉しかった。でも、こういう競争の激しい試合が今後もたくさんある。しっかり次の試合に繋げたい」

 敗れたスティーラーズのデイブ・レニーHCは「試合後にマッチオフィシャルについて話したいわけではない」とした上で、「正直フラストレーションが溜まっている」と心の内を明かした。

「カードの判定についての不満ではありません。自分たちの規律が悪かったのは確かです。ただ、結果に直結する試合終了間際のシーンはどうだったか。才能のある選手がこのリーグにはたくさんいる中で、マッチオフィシャルはまだまだ成長できるところだと思います」と苦言を呈した。

スティーラーズデビューを飾った元スコットランド代表HO、ジョージ・ターナー(撮影:福地和男)

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