サニックスワールドユース優勝は7年ぶりに南ア! 京都成章が日本勢最高5位
日本を含む9か国・地域から16の高校(男子)が福岡・グローバルアリーナに集い、4月29日から開催されてきた「サニックス ワールドラグビーユース交流大会 2015」は、大会最終日の5月6日に順位決定戦がおこなわれ、南アフリカのポールルースジムナジウムの優勝で幕を閉じた。南アの高校が同大会を制したのは2008年以来、4回目。
アンドリース・ベッカー(神戸製鋼)、ヴィリー・ルルー(チーターズ)、フランソワ・ホーハート(ブルズ)など、国内最多となる51人のスプリングボックス(南ア代表)を輩出してきた伝統校。楕円球と真剣に向き合うラグビーカルチャーが、才能ある選手たちを育ててきた。ラン、ステップ、パス、キックで魅せたSOダミアン・ヴィレムセのようなスター的存在もいたが、キャプテンのLOヤコブス・スワルトが言うように、「チーム全員の努力の結果」がトロフィー獲得となった。
今大会の6試合でポールルースジムナジウムが挙げたトライ数は計46(1試合平均7〜8トライ)で最多。4試合が完封勝ちで、逆にトライを奪われたのは東福岡からの1本だけだった。
決勝ではブリスベンボーイズカレッジ(オーストラリア)と対戦し、35-3で勝利。
前半はセットピースで少し苦労したが、辛抱し、後半はラインアウト、スクラムともに修正して突き放した。
「後半は風をうまく利用して陣地獲得で優位に立ち、プレッシャーをかけ続けたのも良かった。トライを取るスキルがあるバックスもよく走ってくれた」とハイン・クリーク ヘッドコーチ。「勝つために日本に来ました。ミッションを完遂できてとても嬉しい」と笑った。
将来、スーパーラグビーやスプリングボックスでプレーする選手はこのチームから出てくると思う、と指揮官は語った。「名前を挙げることは控えたいが、数年のうちに大きな舞台で活躍する選手が出てくると信じている」
南アのチャンピオンチームは今回、東福岡、流経大柏(千葉)、御所実業(奈良)とも対戦したが、スワルト主将は日本の選手の絶対にあきらめない姿勢に刺激を受けたという。
「スキルの高さと集中力が印象的でした。ディフェンスもすばらしかった。(今回参加した日本の8チーム中)2、3チームは本当にレベルが高く、日本がこの大会で優勝するのはそんなに遠い話ではないと思います」
世界との交流は間違いなく日本を強くしている。そして、自分たちもすばらしい経験をさせてもらったと彼らは言った。
16回目だった今年の「サニックス ワールドラグビーユース交流大会」。
トップ4は海外勢が占め、3位決定戦は、ニュージーランドのスコッツカレッジがイングランドのトルロカレッジを45-7で下している。
日本勢の最高位は京都成章高校。6日はエニセイ-STM(ロシア)との5・6位決定戦に臨み、後半7分まで3-20と追う立場だったが、そこから3連続トライを奪い、22-20で熱戦を制した。
CTBの本郷泰司キャプテンを中心にまとまった京都成章は、粘りあるディフェンスと走り勝つラグビーでニュージーランド、イングランドの強豪チームと接戦を演じ、佐賀工業や御所実業なども破っている。
今春の全国高校選抜大会でベスト4だった常翔学園(大阪)は、7・8位決定戦で御所実に43-14で勝利。同じくセンバツ4強の流経大柏は、予選リーグで下した東福岡と9・10位決定戦で再戦し、昨季3冠のプライドがある東福岡が63-22で雪辱を果たした。
機動力も持ち味とする佐賀工は11・12位決定戦で走りに走り、尾道(広島)に75-12と快勝。前日までは元気がなく13・14位決定戦に回っていた長崎北陽台は、うっぷんを晴らすかのように韓国のペクシンハイスクールを61-12で下した。
<最終順位決定戦 結果>
▼決勝
・ポール ルース ジムナジウム(南アフリカ) 35−3 ブリスベン ボーイズ カレッジ(豪州)
▼3・4位決定戦
・スコッツ カレッジ(NZ) 45−7 トルロ カレッジ(イングランド)
▼5・6位決定戦
・京都成章高(京都) 22−20 エニセイ-STM(ロシア)
▼7・8位決定戦
・常翔学園高(大阪) 43−14 御所実業高(奈良)
▼9・10位決定戦
・東福岡高(福岡) 63−22 流通経済大学付属柏高(千葉)
▼11・12位決定戦
・佐賀工業高(佐賀) 75−12 尾道高(広島)
▼13・14位決定戦
・長崎北陽台高(長崎) 61−12 ペクシン ハイスクール(韓国)
▼15・16位決定戦
・ジエングオ ハイスクール(中華台北) 32−0 アール マリオット セカンダリースクール(カナダ)