【TRC】最終節でスプリングボクスがロス・プーマスに大勝。世界王者が南半球も制す。
南半球4か国対抗戦「ザ・ラグビーチャンピオンシップ(TRC)」最終第6節、南アフリカ代表“スプリングボクス”とアルゼンチン代表“ロス・プーマス”が南アフリカのムボムベラ・スタジアム(ネルスプロイト)で現地時間9月28日に対戦し、48-7でスプリングボクスが大勝した。大会を5勝1敗で終えたスプリングボクスが2019年以来、4か国体制となってから2度目の優勝を成し遂げた。
この試合の先発出場で南アフリカの代表戦出場試合数単独1位の「128」キャップとなったLOエベン・エツベス。国歌斉唱時には感極まる様子が見られた。
両チームとも優勝の可能性を残した最終戦、序盤から南アフリカが攻め込む。FW陣で圧をかけゴールライン前でペナルティを誘発し、前半8分に左サイドのスクラムから中央に展開してFBアフェレレ・ファシが飛び込んで先制トライをマークした。SHジェイデン・ヘンドリクサのコンバージョンも決まり7点のリードを奪う。さらに14分に左サイドのラインアウトモールからゴールライン前にラックを作り、相手ディフェンス陣の壁を飛び越えたFLピーターステフ・デュトイがトライ(G)し、7点を重ねた。(14-0)
アルゼンチンは19分に中盤からパスをつなぎ、中央突破からSOトマス・アルボルノスがトライをマークし、自らコンバージョンも沈めて7点を返したが、すぐに主導権は南アフリカに戻る。
22分にSHヘンドリクサがPGを入れた後、29分にアルゼンチンのWTBマテオ・カレーラスがキックボールのコンテストでシンビンを受けた。数的有利の南アフリカは、右サイドでのゲインからパスを受けたファシが33分に2本目のトライをマーク。さらに38分に右大外でパスを受けたWTBチェスリン・コルビが鋭いステップで内側にカットインし、インゴールにグラウンディングした。前半のほぼ全ての領域でゲームを支配した南アフリカが27-7のリードを奪い、ハーフタイムに入った。
後半に入り、両チームがリザーブからインパクトメンバーを逐次投入していくが、スコア上は膠着状態が続く。後半15分にアルゼンチンのFLパブロ・マテーラが頭部へのコンタクトでイエローカード(シンビン)を受け、23分にはオフフィールドレビューでレッドカードに格上げされた。以降も両チームの得点が動かぬ時間帯が続いたが、28分にFBサンティアゴ・カレーラスがインテンショナルノックオンでシンビンとなり、アルゼンチンは13人で戦うことに。
ここからバランスが崩れ、南アフリカが29分のラインアウトモールからHOマルコム・マークスのトライとSOハンドレ・ポラードのゴールで7点を追加。続けて33分にFLデュトイが2本目のトライ(G)をマークし、最後は37分にキックパスをキャッチしたCTBジェシー・クリエルのトライ(G)でゲームを締めた。最終スコアは48-7。攻守でアルゼンチンを圧倒した南アフリカが勝利し、最終戦績5勝1敗で南半球4か国の頂点に立った。
旧トライネーションズが4か国のコンペティションであるTRCとなった2012年以降、スプリングボクスは2019年以来2度目の優勝。敗れたロス・プーマスは3勝3敗で勝ち点14となり、最終順位はオールブラックスに次ぐ3位となったが、TRC2024では初めて全チームから勝利を挙げるなど大きな躍進を見せた。
11月には両チームとも欧州に遠征し、「オータムネーションズシリーズ」で各国と3試合を戦う。