国内 2014.12.18

スーパーラグビー組が躍動も道半ば? 神鋼に快勝したパナソニックの現在地

スーパーラグビー組が躍動も道半ば? 神鋼に快勝したパナソニックの現在地

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連覇を狙うパナソニック。セカンドステージ中盤でグループAのトップに立っ(撮影:BBM)

<トップリーグ 2ndステージ グループA 第3節>
パナソニック 29−27 神戸製鋼
(2014年12月13日/東京・秩父宮ラグビー場)

 昨季王者のパナソニックは、前半のスコアが3−27だったゲームを29−27と逆転した。システムというより、個々の眼力と技術によって。
 今季前半節に無敗だった神戸製鋼との一戦、まずは後半14分。敵陣ゴール前左で、SH田中史朗副将が圧力を受けて後退する。ほぼ丸投げで球を渡されたWTB山田章仁だったが、なんと、地底人の体勢と足取りで相手守備網をかわす。8−27。
 続く18分、同様の位置で今度はSH田中副将が前を向く。その目の前と隣に立つ相手の間に、かすかな亀裂が生じる。そこへ現れたHO堀江翔太主将、仕留める。直後のゴール成功で、15−27と差が詰まる。
 そして、5点差と迫った30分だ。神戸製鋼の反則直後、SH田中副将とHO堀江主将の速攻から、最後はPR稲垣啓太が同点トライを決める。1分後、チームは勝ち越すのだった。
 戦略術が進化し続ける現代にあって、海外からも請われる名人の技で白星を掴んだ。SH田中は「皆がいい判断をしている」と喜ぶ。CTB林泰基は「そこが課題。チームで取れてない」と指摘も忘れないが、それでかえって底力を示したとも言える。伸びしろを残しての、劇的勝利。

(文:向 風見也)

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