今度は友と対戦。シャノン・フリゼルの準備と直感。
シャノン・フリゼルが光る。
ニュージーランド代表33キャップの29歳は、今季初参戦のリーグワン1部で持ち味を発揮する。東芝ブレイブルーパス東京の6番をつけ、オープニングゲームから5戦連続で先発した。
昨年のクリスマスイブに兵庫・ノエビアスタジアム神戸で挑んだ第3節では、自ら4トライをマーク。コベルコ神戸スティーラーズを46-39で破った。
新年2試合目となる1月14日の第5節でも、攻守で躍動した。一連の流れのなかで連続してタックルを放ったり、タッチライン際を快走したり、チャンスで防御を引き寄せながら深めのパスを放ったり。
三重ホンダヒートから28点リードを奪い、後半12分に退いた。40-12で開幕5連勝を飾った。
「物理的な練習はもちろん、映像を繰り返し見る頭のトレーニングにも時間をかけています」
こう話したのは、ヒート戦後のことだ。
身長195センチ、体重114キロのファイターは、強さ、速さに加えてプレー中に先を読む力に秀でているのでは…。チームメイトからそう指摘されるのを受け、自らの準備方法について述べた。
「チームの全体ミーティングに参加するほか、コーチが何を求めているか、自分がどこを修正したいかについて自宅でパソコンやタブレットを使って確認します。チームメイトをうまくセットアップさせ、得点できるよう、ボールキャリー、タックル、セットピースとあらゆるエリアをチェックします。ただ、(動画を)見過ぎてしまうあまり悪くなってしまうという罠も存在します。土曜が試合だとすれば、月曜から木曜までにレビューを終えます。金曜にはゲームプランも頭に入っているので、あとは、流れに身を任せます」
身体能力と感性が売りのフリゼルは、27日、愛知・豊田スタジアムに立つ。戦うのはトヨタヴェルブリッツ。向こうの姫野和樹主将はフリゼルの元同僚でもある。古巣のハイランダーズで一緒だった。
FL、NO8といったFW第3列には、両軍とも国際的戦士を揃える。
姫野も、昨秋のワールドカップ・フランス大会で日本代表の主将を務めている。身長187センチ、体重109キロの29歳で、突進とジャッカルで魅する。
旧友のフリゼル、さらにブレイブルーパスの主将で代表の船頭を担ったこともあるリーチ マイケルと対峙する今度の80分へ、こう意気込んでいた。
「確実に彼ら(リーチとフリゼル)は東芝さんの核で、動きを見れば好調です。彼らをいかに前に出させないかが自分たちにとってのチャレンジになります。また、私情を挟めば、リーチさん、フリゼルは仲のいい選手なので、負けたくない気持ちが強い。ここ数年、東芝さんにはなかなかいいゲームができていない(リーグワン発足から1勝3敗)。リーチ、フリゼルを自分が真っ先に止めて、チームを勝利に導いていけたら」
両者の衝突は見られるか。