国内 2026.10.31

開幕5連敗。法大なぜ勝てない? 復調の兆しは?

[ 向 風見也 ]
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開幕5連敗。法大なぜ勝てない? 復調の兆しは?
三浦幹太[法大・FL](筆者撮影)

 全国優勝過去3度の法大ラグビー部が苦しんでいる。

 加盟する秋の関東大学リーグ戦1部にあって、今季ここまで開幕5連敗中だ。

 10月4日には、連覇を狙う東海大に敵地で15-57と屈した。どのゲームでも、中盤戦までに連続失点を喫する傾向がある。

「中に入っているとスイッチが切れる(感覚)はないですが、早めに交代して外から見ていたら『あ、スイッチ切れたな』とは思います」

 もともとCTBながらチーム事情でNO8を担う炭竈柚斗は、このように述べた。

「ただ、(失点後に円陣を組んで)次のキックオフで蹴る場所、蹴り返されてからのラインアウトのサインも決めている。ただ、そのラインアウトが失敗したらくずれて…と、いい感じにできない。ひとつが崩れたらすべてが崩れる」

 続く18日には、東洋大との第4戦目で22-101と惨敗した。場所は埼玉・川越運動公園陸上競技場。向こうの攻撃にエラーがかさんでいたにもかかわらず、3ケタ台の失点を喫したのだ。

 2年生バックスリーの星野瑛太は、主催者から敗軍の殊勲者として表彰された。スポンサーボードを背にメダルを首にかけ、涙声でスピーチした。

 その場を引き上げても感情が収まらない。

「ただただ悔しくて…。やってきたことができなかったり、通用しなかったり。何から変えればいいのか…。それで、辛くなったっす。プレッシャーの中でもできることはあったし、チャンスは作れましたが、その先までいくことはできなかった」

 メンバーの平均体重は東洋大の95.9(少数点第2位以下切り捨て=以下同)に対し、法大は91.0。東洋大で当然のようにあるクロスフィットジムでのハードトレーニング、トレーニングの合間にホットプレートで目玉焼きを作る文化、寮の食事メニューの豊富さは、法大にはない。それらが身体の線の差に繋がっているような。

 約9年ぶりに復帰して7季目の新宮孝行監督は、大敗の要因を聞かれ「怪我人が多い」、「春からスクラム、ラインアウトモールに僕がもっと関与すればよかった。そこで負けてしまうと流れを取り戻せない」。継続的に鍛えてきたFW第1列に複数の故障者が出たこと、攻防の起点での不安定さを問題視する。

 この日からゲーム主将を務める三浦幹太は、フィールド外に着目。不安の習慣に課題があると指摘した。

「いま治せるのは規律の部分。私生活から正していく。練習時間に遅刻しないとか、そういう初歩的なところを改善したいです」

 伝統的に高校シーンの名手が集まるとされる法大だが、’08年度を最後に全国4強以上から遠ざかっている。

 直近で大学選手権に行ったのも2023年度と3シーズン前で、それも6季ぶりのことだった。

 その年度の主将は、FBの石岡玲英だった。卒業後に現東芝ブレイブルーパス武蔵で主力争いをする実力を誇りながら、抜群のリーダーシップも発揮。下級生の頃から円陣で積極的に発言し、最終学年時には他にオフ・ザ・フィールドのリーダーを擁立して組織を引き締めた。

 石岡が船頭役だった頃に新人だった三浦は、現況を聞かれて正直に答える。

「玲央さんのような絶対的なリーダーがいないなか、4年生全員がリーダーだと思って死に物狂いで変えていきたいです」

 続く25日、埼玉・セナリオハウスフィールド三郷で日大と対峙した。21-28。またしても白星は掴めなかった。立ち上がりから接点で差し込まれ、35分までに18-0とされた。リーダーは「開始10分の弱みが出た。気持ちが乗るまでに軽いプレー、タックルの甘さが…」と悔やむ。

「今回(首脳陣に頼んで)4年生のメンバーを多く入れさせてもらって挑んだのですが、経験値の差が…」

 ただ、フィールドの外でよい兆しがあるという。

「その辺(練習の出席)は、大分改善してきました。まだよくなって1週間なので結果には結びついていない状況ですが、チームの膿を出した感じです。最初に4年生だけで話し合って、その後、全体に共有しました」

 身長184センチ、体重91キロの機動力自慢のFLは、法大元主将の弘樹氏を父に持つ。兄は早大OBで現静岡ブルーレヴズの駿平で、家族からは試合のたびにレビューをもらう。

 伝えられるのは、「キックチェイスで歩くな」「ソックスを上げろ」。伝統校の選手は、折り目の正しさひとつでライバルに畏敬の念を抱かせるべきだと知った。兄からは具体的に個別のプレーを取り上げてもらい、改善点を聞くこともある。

 今春は23歳以下日本代表に選ばれており、来年にはリーグワン1部のクラブへ進む。いま置かれた環境で望む形での身体づくりをするのは難しそうだが、本人は己にベクトルを向けようとしている。

「朝、昼は(支給される)弁当しかありませんが、夜は自炊で鍋を作って補ってきました」

 学生ラストイヤーのリーグ戦にあって現在8チーム中8位。2試合を残すのみとなった。下部の入替戦進出も見据え、「前を向いていく」と誓う。

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