国内 2026.09.29

聖地・秩父宮へ一番近い都立青山高校、花園予選1回戦で散る。東京朝高に敗戦

[ 見明亨徳 ]
聖地・秩父宮へ一番近い都立青山高校、花園予選1回戦で散る。東京朝高に敗戦
朝高主将NO8姜旬悟は「初戦の焦りもあった」。後半、自身2本目のトライをマークし完勝(筆者撮影)

 冬の花園「第106回全国高校大会」の予選が各地で始まっている。東京都でも1回戦が9月20日からスタート。台風25号の影響を受け延期となった試合も27日までに終えた。

 1回戦は第1地区7試合、第2地区8試合を実施。第1地区では都立高同士の戦いを制した都石神井、都小山台が2回戦進出を決めた。第2地区でも都日比谷が桜美林を29-14で破ったほか、都立葛西工科や都国立が入る合同D、都小石川の合同Bも勝ち上がった。

 9月27日の第2地区では、都青山が東京朝高と対戦した。ラグビーの聖地・秩父宮ラグビー場の真向かいに位置する青山。決勝の舞台(11月8日)に地元へ戻ってくることが悲願だ。

 青山主将HO田尻健治は「朝高は強豪。自分たちの強みのディフェンスでしっかり守ってチャンスを生かしたい」と臨んだ。一方、朝高は第95回大会(2015年度)以来、11大会ぶり2度目の花園を目指している。

 試合序盤は予選の初戦ということもあり、お互いに緊張が上回った。朝高は3分、青山陣の相手ボールラインアウトがルーズになり、これを奪ったが、さらに青山がターンオーバー。青山のキックを朝高がリターンし進むと、ボールを落としチャンスを潰す。

 1分後、朝高がマイボールのラインアウトで仕掛ける。ここは青山がタックルを浴びせふたたびびノックフォワードを誘った。さらに朝高が敵陣でノックフォワード、ノットリリースと取り切れない。

 ようやく9分、青山エリアで相手の攻撃にNO8主将、姜旬悟(かん・すんお)が絡み、ノットリリースを奪った。続く左ラインアウト。姜が投入しモールの後ろで自らボールを保持、押し込むと最初の5点をマークした。

「1回戦の焦りで落ち着かずミスが出ていた。自分たちの強みのモールで取れた」

 朝高は先発左PR申旻恒(しん・みんはん)とHO金大仁(きむ・ていん)が体重100キロ超、右PR許志遠(ほ・しうぉん)も97キロの重さだ。モールやスクラムで相手を圧倒したい。

 リスタート。朝高の緊張が取れたか、12分に敵陣ラインアウトからつないでLO金賢(きむ・ひょんじん)が2人目のファイブポインターになる。GはSO宋英学(そん・よんふぁく)が成功。さらに2本のトライを奪い前半を24-0とリードした。

 後半も2分にHO金が敵陣22メートル線でボールをもらうと、青山ディフェンスをハンドオフで弾きポスト左へ運ぶ。6分後、朝高はマイボールスクラムを青山エリアで得る。安定したスクラムからNO8姜がボールを持ち出し右中間へ決めた(38-0)。

 朝高グラウンドを訪れた青山の卒業生や家族が沸いたのは、残り10分を過ぎたところから。リスタートでじわじわと朝高エリアへ運ぶと朝高が反則。左ラインアウトでHO田尻が投げ込む。

 ラックサイドを次々とフォワードが突く。朝高がまたも反則。2度目のラインアウトからのアタックも朝高がPKを与える。5メートル線で右PR滝嶋温太がボールを持ち、そのままトライゾーンをこじ開けた。GはFB竹内翔天が蹴り込み7点を返す(43-7)。しかしその後、朝高が2トライ14点を加え57-7で試合を終えた。

青山は試合残り10分でPR滝島がトライゾーンへ運ぶ

 朝高、高世柱(こ・せじゅ)監督は「初戦の難しさを感じました。自分たちのラグビーを出し切るよう準備したい」。姜主将は2本のトライをマーク。「自信を持つキャリーを出せた」。卒業後は関東大学リーグ戦1部の強豪に進むという。

 敗れた青山。田尻主将はやり切った笑顔で話した。「秩父宮に一番、近い学校としてここで戦いたい、という思い。チーム全員でフォーカスしてきました。ディフェンスでも通用したところがあった。トライを取れたことは都立でも強豪に勝てるという芽を見せることができた」。

 進学校の青山。試合を終えた3年生は受験勉強へ専念する。首都圏の国公立大学(理系)を志望する田尻主将は「関西の国立大もアタマの中にある」。もちろん楕円球を追い続ける。

試合を終えた都青山主将HO田尻健治(写真・前列右から3人目)「ディフェンス、トライも取れた。強豪に向かう芽を見せた」

 会場では続いて第1地区の東海大高輪台と合同C(都足立、都北園、都小平西、日大二、開成)が対戦。高輪台が48-14で制した。かつて都予選でベスト8入りしていた北園が中心の合同C、司令塔は日大二高2年生のSO北島隆登が務めた。伸びのあるキックに相手の網を破るランも魅せた。チーム関係者の話ではサントリーサンゴリアスのアカデミーを経て高校へ。今年の夏もニュージーランドにラグビー留学してチームへ戻ってきた。来年も楽しみな選手だ。

2試合目、合同Cのスクラム。SO北島隆登(写真右端。日大二)。キックにランと魅せた2年生

 2回戦は10月4日に行われる(シード4校は準々決勝戦の10月11日から登場)。

■東京第1地区(シード校:目黒学院、東京)
都石神井×東海大高輪台、早大学院×拓大一、駒澤大×明大中野、青山学院×日体大荏原、成城学園×玉川学園、都小山台×保善
■東京第2地区(シード校:早稲田実業、國學院久我山)
都日比谷×明大八王子、明学東村山×合同D(都国立、都武蔵、昭和第一、麻布、東海大菅生)、大東大一×都六郷工科、帝京×東京朝鮮、成蹊×桐朋、本郷×合同B(東京農大一、豊島学院、三田国際学園、都小石川中等教育)

PICK UP