PNC決勝でプレーヤーオブザマッチ獲得。FLベン・ガンターが語る好調の理由
3年連続同カードとなった決勝でついにフィジーを破り、パシフィックネーションズカップを制した日本代表。2019年以来7年ぶりとなるタイトルをつかみ取った一戦で際立つ活躍を見せたのが、FLベン・ガンターだ。
6番を背負って先発フル出場。チームとしてボールを保持する時間が長かったこともあり、タックル成功数は8回と飛び抜けて多くはなかったものの、トレードマークであるインパクト抜群のビッグヒットを連発してフィジーの波状攻撃をたびたび寸断した。
アタックでも両チーム合わせて全体3位タイとなる10回のボールキャリーを記録。後半18分には相手防御の厚い壁を突き破り、逆転のトライもマークした。マンオブザマッチにふさわしい活躍だった。
「フィジーはすごくフィジカルでスキルがあり、オフロードでつないでくるチームというのはわかっていました。今日一番よかったと思うのは、そうした相手のモメンタムをいかに止めるか、という部分。チームのために全身全霊でがんばりました」
滑りやすいコンディションに細かいエラーが重なり、思うようにアタックを継続できないシーンが続いたが、リズムに乗り切れない状況が続く中でも辛抱強く戦い抜いた。「それこそがラグビーの美しさであり、魅力的な部分です。タイトな感覚の中で状況に適応し、ゲームを軌道に乗せていかなければならない」。チームとしてそれを遂行し、厳しい接戦を勝ち切ったことに胸を張る。
自身の成長についてはこう表現した。
「前半の自分のプレーには満足していません。若い時ならフラストレーションを溜めて、それによって愚かなプレーをしていたと思います。でも今は年齢を重ね、自分をコントロールできるようになりました。4年前ならきっとできなかった(笑)」
これまではディフェンスでの貢献度を評価されることが多かったが、今季はアタックでの奮闘も目を引く。この点については、エディー・ジョーンズHCをはじめコーチングスタッフのアプローチが、変化につながるきっかけとなったようだ。
「エディーもコーチも、強みを生かしてプレーするようシンプルにアドバイスしてくれるので、役割に集中できている。エディーからは、ワールドクラスのプレーヤーになるにはディフェンス以外の部分も伸ばしていく必要があると言われています。今の一番の課題はアタックで、そこを努力しているから今日はご褒美がもらえたのかな、と。ただ、体はかなりダメージがきていますよ(笑)」
2024年に第2次エディー体制が発足して以来、国際大会のタイトル獲得はこれが初。重圧がかかる中で世界ランキング9位の格上(日本は12位)との際どい接戦を勝ち切った経験は、若いメンバーの多いチームにとって大きな意味があるだろう。
「日本代表がいかに成長しているかということの明確な証だと思います。他の国は我々のようなラグビーはできないし、あれほど厳しいトレーニングもできない。この日本代表の一員だと言えることに誇りを持っています」
精鋭ひしめくバックローはポジション争いの最激戦区だが、今や攻守の要として不可欠の存在になりつつある。2023年のW杯フランス大会はスコッドに名を連ねながら出番を得られなかっただけに、来年のW杯にかける思いは並々ならぬものがあるだろう。しかも開催地は生まれ育ったオーストラリアだ。
夢の舞台で錦を飾る日は、着実に近づいている。




