力を抜けば力を出せる。日本代表・木田晴斗、オーストラリア代表戦の教訓は?
力を出すために力を抜きたい。
ラグビー日本代表の木田晴斗がそう実感したのは8月15日。タウンズヒルのクイーンズランドカントリーバンクスタジアムで、約11年ぶり3度目の代表戦に持ち場のWTBで先発した。
オーストラリア代表と対峙した。戦前の世界ランクで4つ上回る8位という難敵を向こうに、身長176センチ、体重90キロの27歳が存在感を示しにかかった。
相手が高い弾道を蹴ってきた際は、前衛の立ち位置から戻って確保しにゆくシステムを遂行。駆け上がって捕りにくる相手に身体を当て、味方にルーズボールを拾わせた。しかしタックル、トライゾーンでのグラウンディングにエラーがあり、17-21で迎えたハーフタイムに交代した。
ふくらはぎに違和感があると、自ら訴えたようだ。17-56で敗れてからしばらくすると、その日の冷静な判断を振り返った。
「結構、前半から熱くなっていた部分があり、コントロールもせずに目の前のことに全力を注いでいて…。その辺(が理由)で、足がついてこなくて違和感が出た。身体の調子自体はよかったので、ここで無理をして長期離脱(のリスクを背負う)よりも…と。また、(スコアが)僅差だったので、その状態でプレーしてチームに迷惑をかけてもいけないと思い、リザーブの選手に託したという感じです」
ここで再確認したのが、体内のアクセルとブレーキを使い分ける重要性だ。ほどよく脱力することで、最後の最後までフル出力ができるようになると信じる。
「もちろんハードワークはします。でも、全力を出すことと抜くところ(の塩梅)は大事です」
帰国後の一時解散を経て、27日に宮崎合宿を再開させた。国内リーグワンでベストラインブレイカーを2度受賞した元空手少年は、自然な口ぶりながら自信をにじませる。
「オーストラリア代表戦では久々にジャパンのジャージーを着たことで『やってやろう』という気持ちが強く、それが空回りというか、よくない方向に進んだ感覚があった。深く考えるんじゃなく、もっと力を抜いてやれば自分の実力を出せる」
9月5日には新潟・デンカビッグスワンスタジアムで、24位のカナダ代表とぶつかる。2戦続けて11番をつける。メンバー発表に先立ち、「相手は関係ない」と話す。
「前の試合で学びました。やっぱりワラビーズ(オーストラリア代表)という相手に対して力が入ってしまうところがあった。自分たちに、自分に、フォーカスしていけば、結果はついてくる」
目下のキャンペーンでは、12日以降にパシフィック・ネーションズカップに挑む。自身が昨年、代表デビューを飾った大会でもある。
計3試合を通しての目標を問われ、己のしたいことと己に求められていることの両方を実現したいと語った。
「毎試合、トライを獲りたい。プラス、ハイボール(空中戦)で周りから信頼されるパフォーマンスを出したいです」



