背番号12で戦い切りたい。島田隼成[早稲田大学/CTB]
近くて遠い。早大が最後に日本一を手にしたのは2019年度だ。その後の6シーズンで準優勝は実に4度を数える。
今季も優勝候補であることは間違いないだろう。昨季の主力で抜けたのはわずか5人。残ったメンバーには下級生時からレギュラーを張った実力者も多い。
唯一、大きな入れ替えを要したのはCTB陣だ。ともに東京サントリーサンゴリアスに入団した前主将の野中健吾、福島秀法、そして控えの黒川和音、金子礼人も卒業した。
そこで、新たなインサイドCTBとして名乗りを挙げたのが3年生の島田隼成である。
新チーム初の対外試合(Aチーム)となった中大戦から、ここまで全5試合に先発中。北九州開催の早明戦(6月7日)でも12番をつける予定だ。
幼少期は野球やテニスに親しんでいたが、小学3年時からラグビーにのめり込む。笹岡ラグビークラブ、城南中を経て、祖父も通った修猷館でも楕円球を追った。
キャプテンを務めた3年時には高校日本代表候補入り。その前には修猷館初の自力での全国選抜大会出場に導いた。
「先輩たちがおかげです。花園予選で筑紫に勝って決勝まで行けたので…(より有利な山組みに入れた)」
1学年上には早大でもともにプレーした福島、SH糸瀬真周、そして筑波大のCTB大内田陽冬らがいた。
高校卒業後はかねてより希望していたニュージーランド留学を叶える。「誰が出ていたかは覚えていない」が、同地に渡った日本人留学生を特集していたテレビ番組を偶然視聴し、憧れを抱いた。
「本来であれば高校に通っている間に行きたかったのですが、コロナで行けませんでした。早生まれ(1月)だったので、1個下の学年で現地の高校に入れたんです」
通ったのはオークランドのマウントアルバートグラマースクール。オールブラックスのソニービル・ウィリアムズやケイレブ・クラークを輩出したラグビーの名門校だ。
「思うように活躍することはできませんでしたが、良い経験ができました。一番はラグビーに対する向き合い方です。やっぱりニュージーランドの人たちは純粋にラグビーを楽しんでいて、それが一番大切だなと身に沁みて感じました」
二度目の高校卒業後はNZに残る選択肢もある中、早大への進学を決める。
1年時は本職のSOだったが、昨季は12番とFBにもチャレンジした。
「今年は特長のユーティリティも大事にしつつ、12番をメインでやりたいと思っています。高校の時は10番へのこだわりもあったのですが、いまは試合に出たい気持ちが一番大きいです」
12番の先輩にあたる野中は判断力に優れ、黒川は突き刺さるタックルを武器とした。「アタック、ディフェンスともに本当にレベルが高かった先輩たちから学ぶことは多かった」という。
その学びを生かしながら、自分の強みも出したい。ゲインラインに接近しながらのパス、鋭いラン、そしてハイボールキャッチが強みだ。
「ようやくスタートラインに立てた感覚です。いま着させてもらっているアカクロの12番でシーズンを戦い切りたい。その先に『荒ぶる』があると思っていますし、その時にグラウンドに立てるように頑張ります」




