国内 2022.08.28
みんな笑顔で楕円球に触れた 『第11回在日コリアンラグビーフェスティバル』

みんな笑顔で楕円球に触れた 『第11回在日コリアンラグビーフェスティバル』

[ 見明亨徳 ]

<午前中は高校生が躍動>

 大阪朝鮮高と目黒学院が戦った試合は、目黒が攻守で圧倒し31-7で勝利した。
 前半11分、右のラインアウトからつなぐとFLがトライを奪う。14分、20分にも大阪朝高のハンドリングミスなどから連続トライを決める。後半も2トライを追加した。大阪朝高は後半10分過ぎに敵陣ゴール前の反則を得ると、タップからプロップがインゴールへ入るも以降は鳴りを潜めた。
 副キャプテンでNO8の康英世(カン・ヨンセ)は「菅平合宿の後半で修正してよくなったことができなかった。自分たちのミスで負けました。元に戻らないようにしたい」と課題を見つけたことが大事か。

大阪朝高は1トライ返すも目黒に7-31で敗戦(撮影:見明亨徳)

 東京朝鮮高は國學院久我山と。久我山は国体メンバー10名ほどが参加していない。東京朝高が36-28で制した。
 東京朝高は6月におこなわれた全国7人制大会東京都予選で準優勝した。最後は早稲田実業に12-31で敗れたが、準決勝は目黒と24-24で引き分け、抽選で決勝へ。決勝トーナメント1回戦では東京高を26-21で退けていた。
 試合は久我山が4分に左ラインアウトを起点に左中間へ先制トライをあげた。8分、今度は東京朝高が敵陣左ラインアウトを得る。投入したボールがこぼれ久我山へ。しかし、次は久我山のパスが乱れ東京朝高に入る。左から右へ展開するとプロップが仕留めた。14分にはラインアウトのボールをもらったSO金太仙(キム・テソン)主将が大きくゲインを切った。ラストもバックスに渡りトライ14-7と勝ち越した。4分後、久我山が再びラインアウト、モールで押し込み同点へ。リスタートのボールを東京朝高が回すと左中間インゴールへWTBが飛び込んだ。25分にはSO金が40メートルのPGを確実に決める。22-14とリードし後半へ。

 2分、久我山が左ライン際を走ったWTBからパスが渡りトライ、22-21と1点差に。5分、東京朝高の右WTBがキックリターンからトライを奪う。29-21とした。久我山も3分後、7点を返し再び29-28と1点差に迫る。しかし最後の得点は東京朝高、22分にポスト右へ運んだ。
 金主将は「7人制大会準優勝で、バックスで取り切る自信がついた」と言う。呉昇哲(オ・スンチョル)監督も「7人制の結果がよい方向になっている。課題はモールディフェンス。今日は久我山の主力はいませんでしたが勝てたことが大きい。朝高は30人の部員のうち中学からの経験が3人しかいません。それでも経験豊富な久我山に勝てた」。
 呉監督と大阪朝高の文賢監督(ムン・ヒョン)は閉会式で「両校で花園に行きます」と誓い合った。

東京朝高が強烈なダブルタックルで久我山攻撃を防ぐ(撮影:見明亨徳)

 オープニングゲームは愛知朝鮮高の2人と東京、大阪朝高Bで組んだオール朝高が目黒B・久我山Bと対戦した。前半は久我山とあたり3トライを決めた目黒・久我山がリード。後半は目黒Bの左WTBがハットトリックトライを決め会場を沸かせた。38-0で圧倒した。

目黒B、後半左WTBがボールをもらうとハットトリックトライを決めた(撮影:見明亨徳)

 会場隣にあるサブグラウンドでは、リーグワンに所属する朝高OBの選手たちが子どもたちに「ラグビー体験会」を開いていた。地元小平のラグビースクールからも子どもたちが参加していた。

サブグラウンドではリーグワンに在籍する朝高OBが子どもたちに楕円球の楽しさを教えた(撮影:見明亨徳)

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