【ラグリパWest】青雲の志に燃える。梯誠剛 [スポーツトレーナー]
五反田病院は整形外科、外科、内科などを含み、病床数は66。院長の五反田清和は整形外科医であり、その専門はヒザである。ラグビーに深く関わっている。梯は話す。
「宗像サニックスの選手は、ケガをすればここに来ます」
五反田は男子7人制日本代表のチームドクターでもある。先月26、27日にはドバイであったワールドラグビー・セブンズシリーズの第1戦にも帯同した。
五反田は久留米大の医学部出身。学部こそ違えど、梯には先輩になる。
「ここに勤められたのも、後輩ということがあったはずです。五反田先生にはラグビーにつなげてもらえ、ありがたく、幸せです」
2年前の2019年には男子7人制日本代表のS&C(Strength and Conditioning)のアシスタントコーチとして呼んでもらえた。今年の五輪では代表の対戦相手を模した外国人チームのS&Cコーチをつとめている。S&Cコーチはトレーナーと比べるとより競技能力の高いトップアスリートを受け持つ。
梯は普段、3階建ての病院内にあるメディカル・フィットネスジム「Re・born」(リボーン)に詰めている。2階はダンススタジオ、女性専用のジム。3階はジム。300平方メートルの広さでマシンは50台ほどが置かれている。フリーウエイトのエリアある。
「健康事業と運動指導をしています」
ケガのリハビリはもちろん、高齢者のトレーニングに付き合ったりする。会費を払えば、一般人でもジムとして使用できるため、アドバイスを送ったりもする。
日田からそう遠くない福岡の田川にも、ラグビー・ドクターがいる。村上秀孝は村上外科病院の院長。脊髄を専門とする整形外科医だ。梯と五反田の先輩にあたる。女子ラグビーのナナイロプリズム福岡の運営母体である「ナナイロラボ」の代表でもある。スーパーラグビー、サンウルブズのチームドクターもつとめた。
日田と田川はJRの久大本線と日田彦山線でつながる。車なら1時間と少しで着く。
「おふたりは仲がいいです」
梯は言う。この2人の久留米大出身の医師たちは、九州から日本のラグビーに多大な貢献をしている。梯への影響も大きい。
「ラグビー選手は人がいい。チームのため、みんなのため、と思ってやっています。私自身の時間を使いたいと思える競技です」
大学を出て、すぐにつとめた先で縁を結んでもらった。そのつながりをこれからも大切にしてゆきたい。