【ラグリパWest】天職は中学教師。宮脇弘宗 [関西大学北陽中学校/ラグビー部顧問]
瑞光時代には府大会でチームを準優勝に導く。名のある教え子は7人制日本代表の林大成。長吉西の時は辻野隼大(はやた)がいた。京産大の1年生はスタンドオフとして京都成章を初の花園大会準優勝に導いた。
「ラグビーがあったから頑張れた感じです」
瑞光でも長吉西でも異動の際には引き留めの署名運動が起こっている。
その宮脇を田中敦夫は大いに買った。関大北陽の中高の校長は、宮脇にとって土井と並ぶ恩師。仰星時代はラグビー部部長であり、社会科の教員だった。その引きで、公立から私立の中高一貫校に指導の場を変える。
ラグビー部の主将は藤原大稚(ふじわら・たいち)。3年生フォワードは言う。
「先生は厳しいけれど優しいです。メリハリをつけて接してくれます」
部員数は39(3年=10、2年=14、1年=15)。男女共学で1学年100強という人数を考えれば、生徒からの宮脇の評価もわかる。
競技を始めたのは中学の菫(すみれ)から。土井に誘われ、仰星に入学する。高3時は大阪の決勝で負け、花園に進めなかった。淀川工に5−7。ポジションはフッカーだった。
1年時、仰星は初めて花園に出る。72回大会(1992年度)は8強敗退。東農大二に8−26。1つ上には大畑大介がいた。
「一緒に帰っていました」
ウイングだった大畑は京産大から神戸製鋼に進み、日本代表キャップ58を得る。
「高校も花園に行ってもらいたいですね」
関大北陽の全国大会出場はない。宮脇自身、仰星で全国優勝5回という歴史を作るひとりにはなった。強くなれば人生が変わる。それは大学の強化にもつながってゆく。この中学に入れば、基本的に大学まで上がれる。中学生を鍛えることはそこにもつながってくる。
学校は阪急の上新庄駅から徒歩5分。宮脇は市内の自宅から自転車で通う。グラウンドは人工芝化され、ナイター用の照明もある。中高のクラブ活動は合同でやるため、使える地所は小さいが、環境はいい。
現在、大阪市では秋季大会の真っ最中。関大北陽は11月7日、桃谷を42−14で破り、4強に進出した。次は11月13日、東生野と対戦する。9月の近畿大会予選では7−69と大敗している。
「東生野に勝つのが目標です」
主将の藤原は力を込める。教え子たちを高みへ導くため、今日も宮脇の奮闘は続く。