55年の歴史に幕下ろすコカ・コーララグビー部 全てのファン・サポーターに感謝のメッセージ
トップリーグでの最高成績は2009年度の8位。
日本代表にも選手を送り出し、「ミスターセブンズ」と呼ばれた桑水流裕策は2016年のリオデジャネイロオリンピックで7人制日本代表の主将を務め、4位入賞の快挙を成し遂げた。2019年にはワールドカップ日本大会でウィリアム・トゥポウが活躍し、15人制日本代表初のベスト8入りに貢献。そして、同じくレッドスパークスの誇りを持つ副島亀里ララボウ ラティアナラと津岡翔太郎は現在、東京オリンピックを目指して頑張っている。
チームが活動終了となり、引退を決めた者や、新しい道を探している者もいる。いま、全選手・スタッフは必死に前を向こうとしている。これからは一人ひとりが新たな夢への挑戦となる。
向井部長兼監督は、「スローガン『良きラガーマンの前に良き社会人たれ』という言葉通り、選手は仕事とラグビーの両立をしっかりと体現して、地元福岡のみなさまをはじめとして九州そして全国のファンの方々に応援され、また愛され支えられてきたチームです」と述べる。そして、チームを代表してこうコメントした。
「これまで、レッドスパークスの活動は全国のファンの皆さま、地域の皆さま、関係者の皆さまの想いとそして会社の理解があったからこそ、55年の歴史と伝統を築き上げることができたものと感謝いたします。これからも日本ラグビーへの貢献は微力ながら続けて行きたいと考えております。最後に、わたしたちは引き続き社会貢献活動を通じて、地域社会や、スポーツ文化のさらなる発展に寄与してまいります。本当に長い間サポートいただきありがとうございました。これまでのご支援や応援に心より御礼申し上げます」
コカ・コーララグビー部は、ある意味、雑草軍団だったかもしれない。
そう語るのは、創部50周年を祝った2016年に監督を務めていた臼井章広氏だ。たくさんの人にサポートしていただいて50周年を迎えられたと感謝する臼井氏は、こんな逸話を教えてくれた。
「かつて、きな粉会というのがあったんです。仕事が終わって、九大さんのグラウンドなどを借りて練習していたそうですが、土のグラウンドで汗だくになってやると、体がきな粉だらけみたいになるでしょ。そういう歴史があって、いまがあるんですよね。環境は整っていなくても、一生懸命やることが大事だと教えていただきました」
伝統を受け継いだ選手たちは、相手が根負けするくらい懸命にタックルを繰り返し、そのひたむきなプレーはファンの胸を打った。
ありがとう、コカ・コーラレッドスパークス。
チームの公式ウェブサイトでは、レッドスパークス一同としてこんな言葉で締めくくっている。
我々が愛するラグビーを愛してくれた全ての方に、
レッドスパークスを愛してくれた全ての方に、
ラグビーをENJOYしてくれた全ての方に、
心から感謝します