【ラグリパWest】初めての秋。 箕面学園高校 [大阪府]
箕面学園は終戦の翌年、1946年(昭和21)に創立された。今年75年目を迎える。
全日制普通科の私立共学校。不登校や支援学級出身の生徒も受け入れる。1学年は基本的に6クラスで1学級は30人。全校生徒500人ほどの中規模校である。
豊中にある箕面自由学園との関係はない。
この学校に廣谷は昨年4月から勤務している。大学卒業後は8年間、箕面や豊中などの中学で教べんを執り、経験は積んだ。
廣谷がラグビーを始めたのは東山に入学後。野球からの転部組だ。
「持って走るだけ。なんて簡単なんや、あれなら自分でもやれる、と思いました」
花園出場はないが、2年時の85回大会(2005年度)は府予選4強で伏見工(現・京都工学院)と激突。10−82と大差負けの中、2トライともに自分が挙げた。
伏見工は本大会決勝で桐蔭学園を36−12で破り、4回目の全国制覇を成し遂げる。
日体大では4年間、公式戦には出場できなかった。最終学年は同期と試合中に水分補給をするウォーターボーイの役を買って出る。一緒に戦っている気持ちになった。
同好会を作って痛感するのは、この大学のつながりのありがたさだ。
近鉄HOの高島卓久馬は同期。コロナでの休校中、オンラインで高校生たちに初歩的な体の鍛え方を教えた。鳥居は思い返す。
「タクマさんのメニューは毎回、違うんです。腹筋をする時には意識するポイントも教えてくれました。楽しくできました」
無報酬のコーチングは1日おきで1か月半ほど続いた。
ラ・サールで指導に励む同期の肥後勇介は、ジャージーなどを送ってくれた。
府内で合同を組むためのチーム紹介は廣瀬壽哉(としや)が引き受ける。二回り近く上の先輩は早稲田摂陵の監督でもある。
チームは週末の練習参加を考え、近隣の渋谷(しぶたに)、桜塚、東淀川に合流した。
記念となる100回全国大会の府予選の抽選は8月1日に行われる。
鳥居は大会の抱負を口にする。
「合同に入れてくれたみんなのために、試合に出られなくても、ウォーターボーイなど必要とされることをやって恩返しがしたいです」
コロナの影響がなければ、初戦は9月。箕面学園にとって、最初の試合になる。
7人による新しい歴史が始まる。