ヨーロッパの強豪6か国が競う「2023 シックスネーションズ」で開幕から3連敗同士だったイタリア代表とウェールズ代表が、現地時間3月11日にローマのスタディオ・オリンピコで激突し、29-17でウェールズ代表が競り勝った。
ウェールズ代表は昨年末に指揮官を替え、名将ウォーレン・ガットランドがチームに復帰して以来、4戦目でようやく勝利をつかんだ。
W杯イヤー幕開け「ラグビー欧州6カ国対抗戦 シックス・ネーションズ」
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昨年はカーディフでイタリア代表がシックスネーションズの連敗を「36」で止め歓喜したが、今度はウェールズ代表が敵地でリベンジとなった。
ウェールズは序盤にペナルティゴール(PG)で先制すると、8分にはSHリース・ウェブがキックした楕円球がラッキーバウンドとなり、しっかりチェイスしていたWTBリオ・ダイアーの手に収まりトライが生まれた。
17分にはブレイクダウンでターンオーバー後、ボールをもらったFBリアム・ウィリアムズが次々とタックラーをかわしてからの粘り腰で追加点を獲得。そのウィリアムズは、22分にはピンチの場面でジャッカルを決めるファインプレーもあった。
一方、15分にPGで得点していたイタリアは、25分にはSOパオロ・カルビジのブレイクから次々とつなぎ、ゴールに迫ってCTBフアン・イグナシオ・ブレックスがトライラインを越えようとしたが、ウェールズのSOオーウェン・ウィリアムズが懸命のディフェンスでグラウンディングを許さなかった。
流れをキープしたウェールズは、33分にはドライビングモールでペナルティトライを獲得し、22-3で折り返した。
しかし、後半はイタリアが意地を見せる。
反則によってイエローカードを提示され、1人少なくなったものの、後半の入りが良く、42分(後半2分)、CTBトンマーゾ・メノンチェッロのブレイクを起点にアタックを継続して敵陣深くに入ると、FBトンマーゾ・アランがチップキックでディフェンス裏にボールを出し、それに反応したFLセバスチャン・ネグリがトライを決め、会場を沸かせた。
だが、44分に危険なプレーをしたイタリアの選手が10分間の退出となり、変わりかけていた流れは止まった。
直後のピンチはSHスティーブン・ヴァーニーらの懸命のディフェンスで踏ん張ったイタリアだが、数的有利のウェールズは49分、シックスネーションズで6年ぶりの先発となったベテランSHのウェブがラックサイドから空いたスペースを抜け、NO8タウルぺ・ファレタウにつないでトライが決まり、点差は広がった。
粘るイタリアは67分にスクラムからの攻撃でトライを奪い返したものの、この試合、何度もチャンスを作りながらエラーで得点を逃したシーンが多く、惜敗。ローマで最後に笑ったのはウェールズだった。