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【忽那健太のスコットランド挑戦記 #5】世界最古のテストマッチ会場で試合。元W杯戦士からタックル魂を受け継ぎ、プレーオフに挑む

2023.12.08

タフな戦いを続けている忽那健太。(写真/本人提供)



 皆さんこんにちは。
 現在、日本から9000キロ離れたスコットランドで活動中の忽那健太(くつな・けんた/プロフィール)です。
 私はいま、イギリス北部のスコットランドにて国内最高峰リーグでの日本人初契約獲得を目指して挑戦をしています。

 9月から開幕したクラブリーグも中盤にさしかかり、プレーオフ(優勝決定トーナメント)進出をかけた熾烈な順位争いが本格化してきました。
 所属しているヘリオッツラグビークラブは現在10チーム中、5位。トップ4入りを目指して毎週末のリーグ戦に臨んでいます。

 先日(11月18日)はスコットランドの『伝説のラグビー場』であるレイバーン プレイス競技場 でリーグ戦を戦いました。

レイバーン プレイス競技場。世界最初のテストマッチはスコットランドがイングランドに勝利。(写真/本人提供)

 ここは史上初のテストマッチ(国際試合)、1871年のスコットランド×イングランドがおこなわれた場所。イギリスでも指折りの歴史ある会場でした(最初のテストマッチはスコットランドが2トライ、イングランドが1トライ。当時はトライ後のコンバージョンキックの成功数だけが得点となり、1対0でスコットランドが勝利したそうです)。

 そんなスコットランド最古の会場で行われたリーグ戦(vs Edinburgh Accies)は31-17で我々ヘリオッツクラブの勝利。
 会場は毎度のことながら大きな賑わいをみせていました。出店が立ち並び、チーム関係者や家族、友人、近隣住民、地元ラグビースクール生が試合を囲み、ビールを片手にたくさんの方々が声援を送ってくれました。

ロッカールームでの勝利直後のチーム写真。同じエディンバラに本拠地を置くライバルチームとの伝統の一戦でした。本人前列真ん中。(写真/本人提供)

 現在、個人としてはリーグ戦全試合(13試合)にフル出場。
 その大きな要因としては、ディフェンスコーチの元スコットランド代表FL ジョン・ハーディー氏の存在が大きいです。

ジョン・ハーディー氏。ニュージランド出身、元スコットランド代表16キャップ。(写真/本人提供)

 彼は16キャップを持ち(2015年のイングランドでのW杯では日本代表戦にも出場)、NZのスーパーラグビーチーム、ハイランダーズでも5年間プレーした実力者(現在NECグリーンロケッツ東葛所属の田中 史明さんともハイランダーズ時代親交が深かったそうで、よく当時のお話をしてくれます)。

 183センチと国際レベルでは小柄とされるFWでしたが、その中で生き抜いた経験とタックルスキルをチームにコーチングしてくれています。

 私自身も172センチとスコットランドラグビー界では最小クラスですが、「タックルに身長は一切関係ない。大切なのは技術と魂だ」といつも熱心に指導してくれます。

 練習ではシーズン中も実戦練習(フルコンタクト)の回数が多く、強度の高い環境で日々鍛えられています。

 現在私は、主に9番、10番、12番とインサイドを任されてプレーしています。
 これからも身体を張ったプレーでチームに貢献していきたいと思っています。

 年内は残り2試合が控えており、どの試合も負けられない戦いとなっています。
 最近はスコットランドの冬も本格化し、日中でも氷点下の気温が当たり前となってきました。これからは風や雨だけでなく寒さとの戦いにもなりそうです。

 平日の引っ越しアルバイトとチーム練習や週末の遠征、リーグ戦の両立は簡単ではありませんが、この挑戦のテーマは「やるか、めっちゃやるか」。

 自分に負けず、1日1日に感謝して挑戦を続けます!

※スコットランドでの現地情報はYouTubeチャンネル『忽那健太』でアップしています。
※過去の挑戦記録は、こちらからどうぞ/#1=セブンズ大会でMVPに#2=アマチュアクラブ選抜でイングランドへ#3=国内リーグ開幕#4=熱戦が続くクラブリーグ

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