9月に開幕するワールドカップで輝き、有終の美を飾ると思われていたのに。
あの勇姿を見ることは、もうできない。
「W杯を最後に引退」と3月に声明を出していたスコットランド代表、FBのスチュアート・ホッグが大会に参加することなく引退することが分かった。
7月9日、自身のSNSで発表した。
「どう切り出せばいいのか難しい」と書き出したSNSには、「大きな悲しみと大きな誇りを胸に、ラグビー選手としての活動を即刻引退することを発表します」と綴った。
「ラグビーワールドカップに出場するために全身全霊で戦いました」と前置きした上で、身体が思い通りに回復せず、自身が考えるレベルに到達しないことを吐露している。
「いずれこの日が来ることは分かっていましたが、こんなに早く来るとは思っていませんでした」
「ラグビーが私の人生にどれほどの影響を与えたか、言葉にするのは難しい。体と心をラグビーに捧げたことを自覚して引退するつもりです」と続け、ファンへの感謝の気持ちも伝えた。
今年のシックスネーションズの第4節、アイルランド戦でスコットランド代表100キャップに到達したホッグは、6月に31歳になったばかり。
3月27日、「W杯を最後に私のプロフェッショナルラグビーの旅は終わり、現役を退くことになります」と表明していた。
スコットランドのホーウィック出身。グラスゴー・ウォリアーズで頭角を現わし、2012年のシックスネーションズで初キャップを獲得した。
テストマッチ通算27トライは、同代表の最多記録だ。
2015年、2019年と2度のW杯に出場し、ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズのメンバーに3回選出された(2013年、2017年、2021年)。
そのライオンズツアーでは、2021年の南アフリカシリーズでテストマッチ2試合に出場している。
スコットランド代表のグレガー・タウンゼント ヘッドコーチは、「引退後の活躍を祈りたい。彼は傑出した選手であり、多くの功績、ハイライト、特別な思い出に彩られたキャリアを歩んだ。私はスチュアートのキャリアの大半を指導する機会に恵まれた。トレーニングフィールド、試合を問わず、ともに働くことも、そのプレーを見ることも、楽しい選手だった」とメディアに語った。