今季リーグワン開幕前の昨年秋に合宿地の大分県別府市でトラブルを起こし、リーグ及び日本ラグビーフットボール協会(JRFU)への報告が遅れた日野レッドドルフィンズに対し、「けん責」処分が決定した。3月15日にJRFU理事会が開かれ、JRFU規律委員会からの答申が審議され処分内容が決定した。
JRFUは本件に対する処分検討に際し、日野自動車株式会社とも協力のうえ、中立的な第三者によって、当事者に対するヒアリングを含めた事実調査を実施。同協会の岩渕健輔専務理事は、「結果、ラグビー界が大切にしている価値観であるインテグリティを毀損する行為・品位に欠ける行為を認めましたが、一部報道内容と認識された事実の間には異なる点も確認いたしました。いずれにせよ、リーグ及び協会への報告の遅延を含め、チームが取った一連の対応は、当協会の『倫理及び処分規程』に準じ処分を受けるに値するものであり、本件がラグビー界・スポーツ界の信頼へ与えた影響と責任を重く受け止め、当該チームに対してはその指導管理体制に猛省を促すものといたします」とコメントした。
日野レッドドルフィンズは現在、活動停止中で、今季残りすべての試合を辞退。入替戦にも出場しないため、来季はディビジョン3に降格することが決まっている。
選手のプレー機会が奪われたことについて同情の声もあるが、ジャパンラグビーリーグワンの東海林一専務理事は、「現時点において、選手との関係についてはチーム内で考えていただくべきテーマと考えている。一方で、選手にとってのプレーする権利が不当に侵害されているようなケースがもし確認されるようなことがあったら、必要なサポートをしていきたい。いまの時点では、そうした事実があるとは確認していない」とコメントした。日野レッドドルフィンズの活動再開時期は未定だが、「今後の活動方針を確認した上、引続き指導とサポートをしていく」とのこと。
JRFU、ジャパンラグビーリーグワンとも、今後の再発防止について、コンプラインス遵守とインテグリティ追求にラグビー界全体で取り組んでいくとした。