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ワールドセブンズシリーズの男子上位争いは混沌。女子はNZ4冠目でパリ五輪出場権獲得第1号

2023.03.06

ワールドシリーズ首位独走でパリ五輪出場権を獲得したNZ女子(Photo: Mike Lee - KLC fotos for World Rugby)


 7人制ラグビー(セブンズ)のトップチームが約半年間にわたり世界各地を転戦しながら順位を競い、チャンピオンを決める「HSBC ワールドラグビーセブンズシリーズ 2023」は、男子の上位争いは混沌、女子はニュージーランドが独走状態に入った。

 男子にとっては第7ラウンド、女子にとっては第5ラウンドのバンクーバー大会(カナダ)が先週末に開催され、男子は総合ランキングで2位につけるアルゼンチンが優勝、女子は開幕ラウンドからすべて決勝進出のニュージーランドが4冠目を獲得した。

 バンクーバー大会の男子は、総合ランキング3位だった南アフリカが今季初めて8強入りを逃し、13位に終わる波乱。総合1位のニュージーランド(オールブラックス・セブンズ)は準々決勝で敗退するなか、決勝に進んだのはアルゼンチンとフランスで、21-21の同点で迎えた終盤、アルゼンチンはロングキック&チェイスで連続トライを挙げ、33-21で熱闘を制した。

 初のシリーズ総合チャンピオンを目指すアルゼンチンは今季2大会目の優勝となり、首位ニュージーランドとの差を12ポイントに詰めている。
 フランスは18年ぶりのワールドシリーズタイトルには届かなかったが、来年自国で開催されるパリオリンピックへ向け、着実に力をつけていることを証明した。

 今シーズンは、最終順位のトップ4(フランスを除く)にはパリオリンピックの出場権が与えられることになっていて、男子は現在9位のアメリカまで大差がない混沌状態となっており、残り4大会で上位争いは激しく変動しそうだ。

 また、男子は第10ラウンド・トゥールーズ大会終了時点の総合順位がコアチーム(全15チーム)のなかで最下位のチームは自動降格となるため、現在最下位の日本はあと3大会でこれまで以上の奮起が求められる。

準決勝ではアイルランドとのタフな戦いを制したアルゼンチン(Photo: Mike Lee – KLC fotos for World Rugby)

 一方、女子はニュージーランド(ブラックファーンズ・セブンズ)が独走し、フランス以外でパリオリンピック出場権を獲得した第1号となった。
 今シーズンは開幕ラウンド・ドバイ大会の決勝でオーストラリアに敗れたものの、その後、24連勝。バンクーバー大会は準々決勝でホスト国のカナダに10-5とやや苦戦したが、準決勝ではフランスに快勝し、決勝ではライバルのオーストラリアに19-12と競り勝った。
 女子のニュージーランドは、東京オリンピックで金メダルに輝いたベテラン選手たちが今なおタフで、若手も成長しており、パリオリンピックへ向けても視界良好か。

 女子の日本は、第3ラウンドのハミルトン大会でワールドシリーズ過去最高位となる6位に入り、次のシドニー大会は8位で、3大会連続のトップ8入りを目指したが、バンクーバー大会は9位に終わっている
 女子は今季あと2大会で、若きスピードスターの原わか花は「この結果をしっかりと次につなげて香港(第6ラウンド)、フランス(最終・第7ラウンド)で桜を咲かすことができるように頑張ります」とコメントしている。

 次の舞台は香港。3月31日~4月2日に多くの観客が予想されるなか、男女合同で開催される。

コロナ禍を越え、セブンズに祭りのムードも戻ってきた(Photo: Mike Lee – KLC fotos for World Rugby)
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