開幕まで50日を切ったラグビーワールドカップへ向けて夏のテストシリーズで強化をしている女子日本代表“サクラフィフティーン”が、世界ランキング7位の女子アイルランド代表を相手に厳しいレッスンを受けた。8月20日に静岡・エコパスタジアムで挑み、序盤にリードを奪いながらも逆転され、計9トライを許し、22-57で敗れた。
日本は、立ち上がりはよかった。
前半2分、スクラムからの攻撃でCTB松田凜日が抜け、サポートしたFL細川恭子も前進してゴールに迫り、FL鈴木実沙紀がピック&ゴーでインゴールにねじ込み先制した。
5分にはラインアウトからのムーブでNO8永井彩乃が突破し、CTB松田、WTB今釘小町と20歳がつないで連続トライ。11分にはSO大塚朱紗がペナルティゴールで加点し、15-0とした。
しかし、サイズで上回るアイルランドは17分、ラインアウトからドライビングモールで押し込み、スコアボードを動かす。23分にはグリーンジャージーの強力パックがスクラムでアドバンテージを得てバックス展開し、CTBエンヤ・ブリーンが抜けて次々とつなぎ、連続トライとなった。
アイルランドは前半最後にも攻め込み、日本はがまんのディフェンスとなったが、バックス展開で、この試合が初キャップだった19歳のCTBイーファ・ダルトンが抜けて逆転トライ。同じくデビューの18歳SOダナ・オブライエンがコンバージョンを成功し、日本は15-19と4点ビハインドで折り返しとなった。
流れを変えたアイルランドは後半開始早々、ブレイクダウンで日本に圧力をかけ反則を引き出し、ゴール前のラインアウトへと移り、得意のモールで押し込み盛り上がる。
53分(後半13分)にも日本の反則からアイルランドのチャンスとなり、ラインアウトからのドライビングモールで点差は広がった。
アイルランドの勢いは止まらず、57分にはスクラムからのバックス展開でFBメイブ・ディーリーが抜け、ハーフウェイから走り切ってデビュー戦トライを記録。
日本は63分に敵陣深くに入ってPKを得、速攻でPRラベマイまことが突進してトライを奪い返したが、アイルランドは69分にキックチャージから再び点差を広げ、終盤さらに2トライを追加し、50点超えとなった。
敗れた女子日本代表のPR南早紀キャプテンは、「なかなか自分たちのテンポを出せず、相手のアタックを受けてしまい、苦しい戦いになった」とチャレンジを振り返る。
セットピースについては、「スクラムは自分たちが優位に進める場面もあったが、ほとんどが相手との駆け引きに負け、やられてしまった。ラインアウトも、自分たちのミスから相手ボールにしてしまった」と反省した。
そして、レスリー・マッケンジー ヘッドコーチは、「ディフェンス周りでコネクトできたところと、アタックで前へ出ようとする姿勢はよかったと感じたが、徐々に規律が悪くなってほころびが出た。この試合は私たちにとって非常に大きなレッスンとなった。これを言うのは悔しいが、この機会から学んで次へ向けてよくしていきたい」とコメントした。
両チームは1週間後の27日、東京・秩父宮ラグビー場で再戦する。