来年のラグビーワールドカップで日本代表などと一緒のプールDに入り、準々決勝進出(同組2位以上)をかけて“ブレイブ・ブロッサムズ”の難敵になると思われるアルゼンチン代表“ロス・プーマス”だが、同国ラグビー協会は2月9日、マリオ・レデスマ ヘッドコーチの退任を発表した。
2018年から指揮を執り、2020年にはニュージーランド代表“オールブラックス”を初めて倒すなど歴史を塗り替えたが、昨年のテストマッチは12試合で3勝しかできず、レデスマ氏は変革のタイミングだと判断したようだ。辞任の理由を次のように語っている。
「私たちは常に進歩と改善を見てきたが、昨年はそれが見られなかった。チームを最優先し、チームに与えるものがこれ以上ないと思うなら、一歩踏み出さなければならない。もっとうまくできたかもしれないが、新しいサイクルの時だ」
アルゼンチン代表フッカーとして84キャップを獲得し、ワールドカップ4大会でプレーしたことがあるレデスマ氏は、2011年に選手を引退したあとフランスのクラブチームでコーチとしてのキャリアをスタート。2015年から約3年間はオーストラリア代表のFWコーチを務め、ハグアレス(ジャガーズ:当時スーパーラグビーに参戦していたアルゼンチンのチーム)の指揮官を経て、2018年8月からアルゼンチン代表のヘッドコーチとなっていた。
就任して2戦目に地元で南アフリカ代表“スプリングボックス”を倒し、その数週間後にはオーストラリアの地で同国代表“ワラビーズ”を破るという35年ぶりの快挙を達成。2019年のワールドカップはベスト8入りを逃したものの、翌年にはオールブラックスから歴史的初勝利を収め、復活を印象づけていた。
しかし、昨年のザ・ラグビーチャンピオンシップ(南半球4か国対抗戦)は6戦全敗、その後のオータム・ネーションズシリーズではフランス代表に競り負け、ラストはアイルランド代表に7-53と大敗していた。
レデスマ氏のアルゼンチン代表ヘッドコーチとしての成績は、8勝3分22敗だった。