東京2020オリンピックの内定選手となった7人制ラグビー男子日本代表が6月21日朝、東京・府中市での合宿最終日を公開した。
グラウンドへ下りてきた選手たちからはリラックスした表情、笑顔もこぼれる。
しかしその表情は10数分後、苦痛へ変わる。
各自で練習前のストレッチやランをした後、グラウンドにはレッド、イエロー、ブルーなどのマーカーが距離を開けて並べてあった。コーチが指示した、マーカーまでの往復ストレートランが始まった。「100%でやること。ついて来れない仲間にも声をかけること」
往復するとすぐに次のマーカーを呼ぶ声がする。黙々と走る選手。息があがる。インターバルの間、話し合う。「(励ましは)日本語ではなく英語で声をかけあおう」。遅れてきた仲間に積極的に声をかけていた。
その後は、岩渕健輔ヘッドコーチ指示で紅白に分かれてタックル無しのボール争奪戦へ。「ゲームでは何が起こるかわからない。きょうはこれをやってくださいと具体的なことはない。自分たちが考えてほしい」。瞬時の自己判断を求めた。
白の松井千士キャプテンは自チームのキックオフのボールが相手との間に落ちたのを見定め、蹴ってマイボールにしトライラインへ。紅、藤田慶和も自ら仕掛けディフェンスを抜き去る。良い仕上がりを見せていた。
地元でのメダル獲得を掲げる日本代表選手たち。
19日、日本ラグビー協会専務理事でもある岩渕氏は新理事会後の会見で、オリンピックでメダル獲得の際の選手1人が受け取る報奨金について語った。
「2016年に決めた内容です。金メダルは300万円、銀200万円、銅100万円。4位60万円、5位40万円、6位30万円」
ちなみにアジアから参加の韓国も大韓ラグビー協会が報奨金等を公表した。
金メダル3000万韓国ウォン(W)=約291万円。銀2000万W(約194万円)、銅1000万W(約97万円)と報奨金は日本と変わりがなさそうだ。
一方で初勝利には200万W相当の報奨賞品、ベスト8入りすると400万W相当の賞品。12名の最終メンバーにはその時点で300万W相当の賞品が与えられる。2019年アジア最終予選優勝選手にも400万W相当の賞品が用意された。
もしも韓国が金メダルを取る場合は1名当たり最高で5000万W相当(約485万円)を得る計算だ。
韓国代表は6月26~27日にアメリカ・ロサンゼルスでおこなわれる「QUEST FOR GOLD SEVENS」に選手18名を連れて参加する。東京オリンピック出場のアメリカ、アルゼンチン、ケニアに胸を借りる。最終メンバー12名は、この大会を参考に選出する。
20日、モナコでおこなわれた東京オリンピック世界最終予選、男子最後の切符はアイルランドがフランスを28-19で破り獲得した。これで参加する全12か国が決まった。
惜しくもアジア予選2位の香港はプール戦でフランスに敗れ、2位通過で準決勝へ。アイルランドの前に5-28で涙をのんだ。
アジア代表として日本、韓国がオリンピックの舞台を走り回りたい。