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ベネトンがイタリア勢初の国際タイトル獲得! 南アのブルズ倒しレインボーカップ優勝

2021.06.20

レインボーカップ優勝を果たし、大喜びするベネトンの選手、スタッフたち(Photo: Getty Images)


 イタリアラグビー界にとって歴史的な勝利となった。
 来季から始まる新リーグ「ユナイテッド・ラグビー・チャンピオンシップ」を前に、欧州のプロ14勢(アイルランド、ウェールズ、スコットランド、イタリアのクラブ)と南アフリカの4チームが参加した「レインボーカップ」のプレーオフ決勝が、現地時間6月19日にイタリアのトレヴィーゾでおこなわれ、欧州勢1位となったベネトンが南ア1位のブルズを35-8で下し、優勝した。
 
 イタリアのプロラグビークラブが国際大会でタイトルを獲得したのは初めて。

 1932年創部のベネトンは、イタリア国内では15回の優勝を誇ったクラブで、2010年からケルティックリーグ(のちのプロ14)に加わり、2018-19シーズンにイタリア勢で初めてプレーオフ進出。今年7月1日からイタリア代表ヘッドコーチに新任するキアラン・クローリーのもと、着実に力をつけ、今季の欧州チャレンジカップでは準々決勝進出を果たしていた。

 今年初めて実施されたレインボーカップは、新型コロナウイルス感染症の影響による渡航規制のため欧州とアフリカを頻繁に行き来することが難しく、計画していた交流戦形式のフォーマットは変更を余儀なくされ、それぞれの地域でリーグ戦を実施。ベネトンとブルズがプレーオフファイナルの出場権をつかみ、歴史的な試合がおこなわれた。

ブルズのイヴァン・ファンセイルに鋭く突き刺さるベネトンの選手(Photo: Getty Images)

 ブルズは、主将のNO8ドウェイン・フェルミューレンが負傷リハビリ中で、テストマッチを控える南アフリカ代表のキャンプに招集されているSOモルネ・ステインなど複数の主力選手が不在。それでも、南ア代表復帰が期待されるNO8マルセル・クッツェーや同じくテストキャップホルダーのFLニザム・カー、CTBコーナル・ヘンドリクスらが先発するなど、新たなタイトル獲得を狙っていた。

 しかしベネトンは、南ア国内王者に輝くこと24回、そして3度の南半球スーパーラグビー優勝を誇る名門クラブ相手に序盤から主導権を握り、セットピースや組織化された堅いディフェンスが勝因となった。そして、昨年イタリア代表デビューを果たした23歳のFLミケーレ・ラマロや21歳のSOパオロ・ガービシなどが躍動、計5トライを挙げ、歴史的な国際大会初優勝に歓喜した。

 ナショナルチームがぶつかる欧州6か国対抗戦(シックスネーションズ)では、イタリア代表は2015年のスコットランド戦を最後に勝てておらず32連敗中で、「ティア1(強豪グループ)の資格なし」という声も上がっているが、イタリア代表選手を多数擁するベネトンの優勝は自信となり、同国ライバルクラブのゼブレを刺激したのも間違いなく、2023年のワールドカップへ向けて期待が高まる。

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