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【南アフリカ記者コラム】スプリングボクスがラグビー史上最大のライバル対決を制す。オールブラックスとの4連戦で見えたもの

2026.09.16

3勝1敗でシリーズを制したスプリングボクス(Photo/Getty Images)

 スプリングボクスは9月12日、ボルチモアでオールブラックスを43-28で下し、史上初開催となった「Rugby’s Greatest Rivalry」シリーズを3勝1敗で制した。

 6トライを挙げての圧勝は、ラッシー・エラスマスHCにとって2018年の就任以来、スプリングボクスを率いて戦う100試合目のテストマッチを飾るものとなった。

 シリーズ初戦のエリス・パークでの敗戦から見事に立ち直り、王者の座を奪い返す。そして、今回の勝利によって南アフリカは世界ランキング1位の座をさらに盤石なものとした。

 ボクスはこれでラグビー界で勝ち取れるものをすべて手にした。間違いなく世界最強のチームだ。
 しかし、ライバル・NZとの4度に渡る素晴らしい対戦ではその座を脅かされるほどの激戦を強いられた。

 ボルチモアでの勝利は、4試合の中で最も一方的なものだった。
 終了間際にボーデン・バレットがトライを決めたことで、最終スコアはオールブラックスにとって少しばかり見栄えのいいものになったと言える。

 4試合を通じた総得点は、スプリングボクスが121点、オールブラックスが111点。
 しかし、トライ数ではニュージーランドが17、スプリングボクスが14。両者の差は、それほど小さなものだった。

 スプリングボクスはラグビー界のゴールドスタンダードであり続けている。
 今季の残りの試合で何が起ころうとも、優勝候補の筆頭として2027年のワールドカップを迎えることになるだろう。

 一方、NZはデイヴ・レニーHCのもとで上昇気流に乗っている。
 そのことを踏まえれば、来年のワールドカップで両者が準々決勝で対戦する可能性が高い組み合わせは、ばかげたものに思えてくる。

 もっとも、それはまた別の日に頭を悩ませればいい。
 今回、ボクスは4試合のシリーズを3勝1敗で制した。

 エリス・パークでの第1戦を16-33で落とした後、世界王者はケープタウンで33-26、ソウェトで29-24、そしてボルティモアで43-28と3連勝で終えた。

 スプリングボクスが1年でオールブラックスから3試合連続で勝利を挙げたのは、2009年以来だ。NZが3連敗を喫するのも4年ぶりだった。

 今回の勝利によって、南アフリカは直近10試合でオールブラックスから8勝目を挙げた。
 次に狙うのは、1937年から1949年にかけて記録した対NZ戦6連勝になる。

 現在のボクスの強さをこれほど興味深いものにしているのは、圧倒的なフィジカルを維持しながらチームそのものが進化を続けていることだ。
 セットピースを中心とした純粋なパワー勝負から、ワイドにボールを動かし、ハイテンポで展開するアタッキングラグビーへと踏み出す姿勢は、アメリカで見せたパフォーマンスにも表れていた。

 立ち止まることを拒むチームであることの証明でもある。
 スクラムへの比重はこれまでより明らかに小さく、ワイドに、そして速くボールを動かすことを選択した。アタックコーチを務めるトニー・ブラウンの名にちなみ「トニーボール」と呼ばれるスタイルだ。

 その攻撃は躍動感にあふれ、スリリングだった。そして、スプリングボクスが持つ尽きることのない野心を改めて示した。

 このシームレスな継続性こそ、南アフリカが歴史的な快進撃を続ける本当の秘密なのだろう。
 個々のスター選手の輝きだけに依存するのではなく、選手個人を超越する一つのシステムを構築している。

 分厚い選手層と揺るぎない自信を武器に、スプリングボクスは「ジャージーそのものが勢いを生み出す」と言えるような文化を築き上げた。

 かつて、オールブラックスを倒すことは、国際ラグビーにおいて究極かつ、めったに到達できない高峰と考えられていた。
 しかし、いまやボクスにとってこのカードで勝つことは、彼らが設定する基準の最低ラインになっている。

 土曜日のパフォーマンスは、南アフリカが単に世界の頂点に座っているだけではなく、世界の勢力図そのものを塗り替えていることを示した。

 南アフリカはワールドラグビーランキング史上、最高となるポイントを獲得した。
 ボルチモアでの勝利によってさらに0.75ポイントが加わり、95.09ポイントに到達。2003年にランキング制度が導入されて以来、初めて95ポイントの大台を突破した。

「Rugby’s Greatest Rivalry」ツアー全体としては、大成功だった。
 しかし、チケット価格や日程設定については、いくつか教訓も残った。

 オールブラックスの1か月に渡る遠征は、伝統的なツアーに対する需要が依然として非常に大きいことを証明した。
 南アフリカはこのライバル関係に熱狂し、NZもまたピッチ内外のイベントに同じように強い関心を示した。

 両チームの対照的なラグビーのアイデンティティーも、今回のツアーの魅力をさらに高めた。

 オールブラックスは息をのむようなバックスプレーを披露する一方で、スプリングボクスは近年のテストラグビーを支えてきたスクラム、ラインアウト、モールというセットピースの威力で応戦した。

 ピッチの外でも両チームとサポーターの間にあった温かな交流は、同じように大きな意味を持った。
 両チームのキャプテン、シヤ・コリシとアーディー・サヴェアは、激しいスポーツ上のライバル関係と心からの相互尊重が共存できることを示した。

 特に、ボルチモアでのテストマッチ後に両チームの選手たちが一緒に祈りを捧げた光景は、非常に心温まるものだった。

 一方で、ネガティブな側面もあった。
 南アフリカでは、チケット価格があまりにも高く、多くの一般的なファンには手の届かないものとなった。

 国民的なラグビーの祭典を「すべての人が参加できるもの」として祝うのであれば、スプリングボクスという存在に声や色、魂、そしてファンたちを、チケット価格によって締め出してしまってはいけない。

 4試合のツアー日程についても批判が出た。南アフリカのURC所属チームが、まだプレシーズンの段階にあったためだ。

 しかし、こうした問題点があったとしても、今回のツアーが大成功を収めたという事実を損なうものではない。
 このツアーは今後、国際ラグビーの恒例行事として定着する可能性さえある。

 スプリングボクスは2030年にNZへ遠征する予定で、その4年後の2034年には、オールブラックスが南アフリカへ帰ってくることになる。

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